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2
「今迄沢山酷い抱き方をしたからな、今日は物凄く優しくやるよ」
今迄の事で思いっ切り恐怖を覚えていた俺。
宥める様髪を優しく撫でられ
「優しくしてね?」
軽く瞳を潤ませながら、土方を見上げた。
上目遣いになってしまうのはベットに組み敷かれているせい。
だけど
「煽るなよ坂田」
土方に苦笑された。


『嫌だ、スッゴク恥ずかしい』
ふわり柔らかく肌を撫でてくれる綺麗な指と、熱い唇。
チュッ、ンチュ、チュ。
久々に丁寧に舐められる全身。
優しくされる度
「好きだ」
囁かれる度
『好き。大好きだよぉ』
ドンドン蕩けていく身体。

大切に触られ、優しく口付けられ
「土方、好・きっ」
嬉しくて涙が溢れた。
最近は哀しくて泣いてばかりだったから、嬉し泣きなんて物凄く久々。
土方に凍り付かされた心が、土方で溶かされていく。

こんなに迄、俺を酷く傷付けれるのも
こんなに迄、俺を幸せな気持ちに出来るのも
土方、お前しか居ないよ?

いつの間に此所迄愛してしまっていたのだろうか?
まだ知らない事だらけなのにな。
ほんっと不思議だよ土方は。

優しい愛撫に溺れながら
「お前になら何されても幸せだ」
ふわり微笑んだ。

そう。
土方からだったら、どんな事をされても許してあげられる。
だからもう二度と、側を離れないでね?

大好きだよ、土方。




翌日
「おはよう晋助」
俺と土方は、2人で晋助に挨拶をした。
「そのさ、俺達付き合う事にしたから」
少し照れながら晋助に報告する土方。
「そっか、おめでとう」
「ありがとな」
微笑む顔が、少し哀しげに見えるのは
「ごめんね、晋助」
多分、いや、確実に俺の責任。
「ごめんなさい」
ハラリ涙が零れた。
「気にすんな」
「でも俺、晋助の事スッゴク傷付けた」
「お互い様だろ?だから泣くな」
ふわり涙を舌先で舐め取られた瞬間
「ちょっと待て」
ベリィッ!!!
土方が俺から晋助を引き剥がした。

「オイ高杉。俺の前で坂田とイチャつくな」
ん、嫉妬かな?コレって。
「なら、前でなかったら良いのか?」
ちょっと晋助?
「高杉お前ふざけてんのか?」
怖い目付きで睨む土方。
お〜い土方、顔悪人面になってますよ?
プッ、晋助は軽く笑うと
「冗談だ」
ニヤリ微笑んだ。
「けど、次又銀時を泣かしたら土方、お前殺すから」
は!?
「マジで覚悟しとけよ?」
「お前に言われたかねぇよ」
ちょっ、ちょっ、ちょっとぉ、2人共何怖い顔してんの。
綺麗な顔だから余計怖いよマジで。

「坂田、お前が好きなのは俺だよな?」
「あっ、はい。大好きです」
突然怖い顔で聞かれ、思わず震え上がった俺。

「でも俺の事も好きだよな?銀時」
えっ、ちょっと晋助?
「まさかもう嫌いになったか?」
ま・まさか、そんな事有り得ません。
「・・・・・好・き・・」
小声で呟くと
『ぇっ!?』
グイッ!!突然腰を抱き寄せられてチュッ、口付けられた。
勿論頭の中真っ白。
プシュウ〜、ワケが分からず間抜けな顔をしている俺を無視して
「高杉、お前俺に喧嘩売ってんのか?」
「今迄ずっと好きだったんだ。今更[はい。そうですか]って簡単に諦められるか」
言い争いを始めた2人。
『お〜い2人共何してんですかぁ?』
刺々しく口論をしている姿を見て
『もしかしてこの2人スッゲェ仲良い?』
溜め息を零した。




この恋、なんかスッゴク前途多難かもしれません。

肩を落としながら、空を仰ぎ見た。

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