[携帯モード] [URL送信]
Z.好き【銀時SIDE】1
拒絶された。
そう実感した俺は、哀しくて学校を飛び出した。
やはり辿り着いたのはいつもの公園で。
『土方ぁ』
泣きながらブランコに座った。
思い出すのは、優しかった時の土方ばかり。
甘く、心も身体も溶かす様なキスと身体の繋がり。
《坂田》
優しい声色と優しい笑顔。
思い出すのはいつも穏やかな微笑みなのに、最近の土方は全然笑ってくれない。
《嫌いだ》
《今スグ失せろ》
言われたセリフが、痛々しい位俺を苦しめる。
無理矢理裂かれた身体よりも、言葉の方が痛くて堪らない。
なのに、まだ好き。
どうしようもない位、土方が・好きなんだ。

一度崩壊した涙腺はもう修復不可能なのか、いつまでも涙を零し続けている。
ブランコ下の地面は、俺のせいで雨でもないのに湿っていた。

晋助の時で充分傷付いて、もう恋なんてしないって思ってたのに。
誰も信じたくないって思ってたのに。
何で信じちゃったんだろう?
何でこんなにも・好きになったんだ?
公園と家での土方しか、俺は土方の事を知らないのに。
学校だって、今日初めて知った。
知ってる事より、知らない事の方が確実に多いのに。
何故?
なんでこんなにも、土方が欲しいんだ?
もう一度優しく名前を呼んで貰いたい。
優しく触れて、キスして、壊れそうな位、俺を抱いて?

いつまでも泣き続けていたら
「坂田」
土方の声がした。
『幻聴?』
ゆっくり顔を上げると
『土方』
暗い顔をした土方が目の前に居た。
『怖い』
目が合わせられなくて逸す瞳。
「さっきは言い過ぎた」
突然謝られ
『え?』
ビックリした。
「嫌いだなんて、嘘だから」
謝りながらキスをされ
『本当に?』
トクントクン高鳴る鼓動。
『信じたい。でも信じるのも怖い』
久々にされた優しいキス。
『信じて良いの?』
「好きだ坂田。愛してる」
柔らかく微笑まれて
「俺も大好きだよ」
俺は
『もう一度だけ、土方を信じてみよう』
そう決意した。





「恥ずかしいよ」
電気を全て付けたまま脱がされた服。
いつもは真っ暗な部屋でしていた行為。
久々だから、余計恥ずかしい。
「綺麗だから隠さず見せろよ」
ニコリ笑顔で言われ
「・・・・・バ・カ、余計恥ずいだろ?」
真っ赤になった。

「ごめんな坂田。俺お前に嫉妬してたんだ」
「嫉妬って?」
首を傾げると
「もう良いんだ。俺が勝手にしただけだから」
チュッ、唇を啄まれた。
「好きって本当?」
未だ信じられず確認した。
「ああ、スッゲェ好き」
綺麗な笑顔と共に告げられ
「ならもう二度と離さないでよ?」
泣きながらお願いすると
「ごめんな。もう泣かさないから」
微笑まれ
「大好きだよ」
自分から口付けた。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!