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Y.捜索【高杉SIDE】
ガンッ、乱暴な音を立てながら席に座った土方。
『珍しいな。何かあったのか?』
普段温厚な土方。
先程教室を出る前迄はいつも通りだった。
戻ってきた瞬間、豹変していた態度。
殺気立っていて、近寄りがたいオーラを異常な位放っている。
こんな時は近寄らない方が良いな。
そう察した俺は昼休み、先程分かったばかりの銀時の教室へ向かった。

『あれ?』
教室に銀時は居なかった。
早退したのか?
仕方なしに
「坂田銀時は?」
窓際の奴に尋ねた。
「坂田なら3時間目の前から帰って来てないぜ?」
「え、何それ?」
『帰って来てない?ってサボりか?』
「ありがとな」
教えてくれた奴に軽く礼を言うと、銀時を探し始めた。
『何処だ?』
必死に探したが見付からない姿。
嫌な予感に襲われ走りながら校内を一周したが、やはり銀時は居なかった。
『銀時。お前一体何処に居るんだ?』
焦る気持ちを抱いたまま
「早退します」
理由も告げず俺は担任に言い放つと
「おい高杉」
引き止める担任を無視し、校舎を飛び出した。
『銀時、銀時何処だ?』
銀時が行きそうな所を探し捲ったが見付からない姿。
『家かな?』
銀時のアパートの呼び鈴を鳴らした。
小学校の頃教えて貰った家。
実は逢ってない時も、近く迄は来ていた。
まっ、実際は顔も見ずに通り過ぎていたがな。
見たら絶対逢いたくなるから。

『って、此所にも居ないんかよ?』
半分諦めかけて、ゆっくり探す事にした。
別に急いで探す必要もないだろう。

ふらりふらり
『銀時何処だ?』
行く宛もなく探す俺。
ふと気掛かりな事が頭を過ぎった。
そういえばなんで土方さっきあんなに機嫌悪かったんだ?
それになんでアイツ銀時の名前知ってたんだ?
まさか、土方の機嫌と銀時の失踪は関係あるのか?
って失踪は大袈裟か。
でももし関係あるのなら、銀時は土方の家の付近か?
『取り敢えず土方ん家行くか』
そう考えたが
『ていうか何処だ?』
知らない土方の家。
『俺マジ使えねぇ』
ガックリ肩を落とした。
『確かアイツ学校の近くだって言ってたよな』
制服のまま学校の付近に戻るのは気が引ける。
一度帰宅して、私服に着替えた。


適当に学校付近を歩き回るが
『あ〜もう、家位聞いとけば良かった』
全く手掛かりがない為少し苛ついた。
ふぅ〜、疲れて溜め息を吐いた時
『土方じゃん』
校門から出て来た土方が見えた。
話し掛けようとしたが、まだ様子が変だった。
怒っている様な、それでいて後悔している様な不思議な表情。
でもなんかスッゲェ機嫌が悪い事だけは、物凄く近寄りがたいオーラのせいで分かった。
『マジ話し掛けにくい。機嫌が直る迄待つか』
行く宛もなかった為、土方の後をバレない様に着けた。

『なんかスッゲェどんよりしてねぇ?』
暗ぁ〜い雰囲気が漂ったかと思うと
『怖いよオーラ』
トゲトゲした雰囲気を漂わせる土方。
『スッゲェ変』
訝しげに背中を見詰めた。
『ん?』
突然異常な位ゆっくりになった歩き。
『何処に向かってるんだ?』
迷いながら進んでいってるって感じ。
『公園?』
楽しそうに遊具で遊ぶ土方、マジ想像出来ねぇ。
絶対似合わねぇよ。多分見たら吹き出すな?確実に。
少しニヤけてしまった顔を戻すと、再び後を着けた。
迷う事なくブランコの方へ歩き出した土方。
『銀時?』
ソコにはずっと探していた銀時が居た。

「坂田」
話し掛けた土方。
バレない様にコッソリ木の影に隠れた。
って、俺今ちょっと危険人物みたいじゃん?
まっ、誰も見てねぇし気にしないでおこう。
話し掛けられた瞬間、ビクゥッ!!!激しく震えた肩。
『銀時?』
ずっと泣いていたのだろう。
ウサギの様な瞳をしていた。
「悪い、さっきは言い過ぎた」
物凄くすまなそうに謝る土方。
『さっきって?つか、この2人って知り合いだったのか?』
何も喋らない銀時に
「ごめん坂田」
再び土方は謝ると
「んっ、ふ・ぅん」
銀時の唇を奪った。
って、ちょっと待てぇっっ!!何だこの展開は?
銀時の好きな奴って土方か?
まさか以前土方が言っていた可愛い猫って、銀時?
「ゃ・ぁ、嫌ぁ、ヤダ土方」
拒むセリフを吐きながらも、全然抵抗しない銀時。
それ全然拒んでねぇからマジで。
「んんんっ、ふぁん、ぁ・ふ、んん」
ドンドンドンドン深くなっていく口付け。
なんかスッゲェムカムカする。
土方の首に腕を回し、泣きながら必死に舌を絡める銀時。
嫉妬で気が狂いそうだ。
「嫌いだなんて、嘘だから」
優しく微笑まれ
「本当に?」
「ああ、好きだ坂田。愛してる」
漸く
「俺も大好きだよ」
銀時は綺麗に微笑んだ。

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あきゅろす。
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