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晋助との仲が修復して、重過ぎた肩の荷が降りた俺。
さり気に2時間目サボっちゃった。
でも仲直り出来たし良いんじゃね?
今スッゲェ晴れやかな気持ちだしさ?
だが、土方との事を思うと、心は一気に沈んだ。
勇気を出して話そう。
そう決意し、
「土方」
土方が廊下に出て1人になった瞬間話し掛けた。
「坂田!?」
勿論土方は驚いた。
同じ学校だなんて教えてなかったし、俺だって知ったばかりだ。
「もう公園には来てくれないのか?」
勇気を振り絞って聞いた。
なのに
「ああ、行かない」
顔を背けながら言われたセリフ。
『顔さえ見てくれないのか?』
クラリ眩暈がした。
だけど
『逃げちゃダメだ』
必死に泣くのを堪えて
「来てくれる迄、ずっと待ってるから」
再び話し掛けた。
『ねぇ、お願い。行くって言って?』
「もうお前には逢わない」
『土方?』
耳に入った信じられないセリフ。
『嘘だよね?』
「・・・・・・・嫌・いになった・のか?俺の事」
『怖いよ、嫌われるのは怖い。お願い、嫌わないで?土方』
縋る目線を送った。
『お願い』
祈る様に見詰めたのに
「お前なんか最初っから好きじゃねぇよ」
言い放たれたのは物凄く冷たい声。

「ずっと嫌いだった」
さげずむ様に見下ろされカクリ全身の力が抜けた。
『・・・嘘・・・・。だって・好きだって・・好きだって言ってくれた。アレも嘘?』
すぅっと離れていく姿。
「嫌だ土方、嫌わないで。嫌な所あったら直すから、何でもするから、だから、嫌いだなんて・言わないでぇ」
泣きながら縋り付く姿はなんて無様なんだろう。
情けないって分かってるのに、止められなかった。
どんな事をしてでも側に居たい。
土方に好かれる為なら、何でもする。
だからもう一度、好きって言って?
嘘だったんなら、最後迄貫き通して?
側に居て?
「なら今スグ失せろよ」
ギロリ睨まれ
「嫌だ」
即答した。

「嘘吐きは嫌いだ坂田。何でもするって言っただろ?」
冷たい笑いと共に吐かれたセリフ。

奈落の底に・突き落とされた様な感覚を味わった。

ねぇ土方、お前は狡い。
こんなに好きなのに、死にそうな位大好きなのに
『嫌だよ土方ぁ』
お前は俺を見捨てるのか?

《坂田》
もう二度と優しく笑い掛けてくれないのか?

「二度と俺に話し掛けるな」
冷たく言い放つと去って行った愛しい人。

フッと目の前が何も見えない、無の世界になった。

嫌だよ土方。
お前に嫌われた俺なんか、もう、要らない。

要らないよ・・・土方・・・・。

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