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W.暗闇【銀時SIDE】1
毎日される行為。
好きな人に抱かれているのに、日々苦しくなっていく心。
なぁ土方、お前一体何を考えてるんだ?

お前の・心が見えない。


『なんで来ないんだろう?』
いつも通り向かった公園。
ブランコに座り待つのに、一向に土方は来ない。
土方が豹変してしまった日からも、変わりなく待ち合わせる公園。
土方の気持ちはサッパリ分からないし、痛い行為も続けられたが、好きだと囁かれたいが為に逢ってしまう弱い俺。
いつかもう一度再び微笑んで貰える、タダそれだけを信じて
『好きだよ土方』
俺は毎日傷付きながらも土方に逢う。
なのに、今日は来ない。
『何かあったのかな?』
ずっと待ち続けるが、メール送信はしなかった。
豹変した翌日送信したら
『なんで?』
アドレスが変えられていたからだ。
電話番号は知らない。
教えて貰っていたのはアドレスだけ。
けれど今迄は毎日逢ってくれていた。
嬉しくて堪らなかったのに。
俺ウザかったのかな?
[今日来れないの?]
ダメ元で送ったメール。
やはりエラーで戻って来た。
此所から動いた瞬間、擦れ違ったら嫌だ。
絶対来てくれる。勝手に決め付けて、唯々待ち続けた。
いつの間にか暗くなった空。
ポツポツ降って来た雨粒。
『そういえば午後から降るってTVで言ってたな』
今頃は土方の家に居る筈の時間。
傘なんて持っていなかった。
『もう今日は来ないかもしれない』
そう思うが
『でも来てくれるよ絶対』
淡い期待が、俺を締め付けて此所から動けない。
『ねぇ、早く来て?』
雨に打たれながらブランコに座り
『お願い土方。早く、早く来てよ』
唯ひたすら土方を待った。

真っ暗になった公園。うっすらしか明るくなくて少し怖い。
けれど、逢いたくて逢いたくて。
気が付くと朝日が登っていた。
『シャワー浴びて着替えなきゃ』
フラフラ立ち上がり帰宅した。

その日も、その次の日も、唯々待ち続ける日々が続いた。

『もう来てくれないのかな?』
哀しくて涙が地面に零れ落ちた。

約1ヶ月。
それでも土方を信じて向かう公園。

逢いたくて堪らなくなった俺は、土方を探す事にした。

互いに逢う時は毎回私服。
だが時々本当に微かだが土方から高杉と同じ匂いがして、俺を異常な位安心させてくれた。
多分年は同じ位。
下校後スグ着替えて公園で待っていたが、今迄1時間以上待たされた事はなかった。
土方の家はこの公園のスグ近く。
という事は、学校も近い?
此所等辺にある学校といえば、2つだけ。
俺が行っている学校と私立。
ドッチだろう?
マズは自分の学校から探そう。
そして、逢って話がしたい。
どうして逢ってくれないのか聞きたい。
もう一度顔が見たい。
声が聞きたいんだ、土方。

淡い期待を持ちながら公園で待ち続け、朝になり帰宅する。
そしてシャワーを浴びて登校。
いつの間にか日課になっていた。
だけどそれも今日でお終い。
もう待ち続けるのは嫌だ。
逢えないのなら、自分から逢いに行く。

同じ学年だと決め付けている俺は、最初っから同学年しか探さなかった。

同学年の教室を覗き出して約5分。

『はぁあああ!?』

気が抜けてしまう位容易く土方は見付かった。
ちょっともぉ何ソレ?
2つ隣りの教室だなんて、マジ有り得ないから。
ていうか此所、晋助と同じクラスだ。

晋助に逢いにくい俺は、さり気にこの教室を避けていた。
だからかな?全然気付かなかった。
マジ灯台下暗しってヤツだな。

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あきゅろす。
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