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毎日逢うのは下校後、私服に着替えてから。
公園のブランコに乗って土方を待つ。
此所の公園は近所に小さい子供が居ないせいか、殆ど遊具が使われない。
だから毎日ブランコを占領しても大丈夫って事。
犬の散歩にさえ余り使われない公園。
殆どの割合で、此所は俺達だけの秘密の場所になっていた。
今日こそは想いを伝えよう。
土方、どんな顔するかな?
毎日抱いてくれるって事は、期待しても良いって事だよな?
恥ずかしいけど素直に想いを伝えるからさ、土方も教えて?
俺の事、どう想ってる?
そわそわしながら
[今日も公園で待ってるね]
メール送信した。
初めて使ったハートマーク。
ちょっぴり恥ずかしい。
引かれちゃったかな?
でも今日告白するんだし、これ位良いよな?
キィキィ軽くブランコを揺らしながら、土方を待った。
『あっ、土方の匂いだ』
土方を好きになってから、俺は微かな匂いや音でさえ土方が分かる様になっていた。
顔が見えた瞬間
「土方」
逢えた事が嬉しくて、ふわり微笑んだ。

『土方?』
様子がおかしい。
いつもは笑い返してくれるのに。
いつもはスグ歩み寄ってくれるのに。
『どうしたんだろう?』
全く近付かない土方。
心配で駆け寄った。
けれど、パシンッ払われた手。
『何?何が起きてるの?』
初めて見る怒った様な冷たい顔。
ワケが分からないまま
「嫌だ、土方。ヤダっっ」
俺は土方のベットに組み敷かれた。
『怖い、怖い、怖い』
こんな土方知らない。
いつもの優しい土方は何処?
怯えながら見上げると
「壊してやるよ、坂田」
信じられないセリフが、耳に入った。




「嫌ぁーーーっっ、嫌だ土方、嫌っ」
『どうして?俺、土方を怒らせたのか?』
ガッ、軽く噛まれた首筋。
『痛いっ』
流れ出た紅い滴を舐め取ると
「甘いな」
土方はニヤリ笑った。
ギリィッって抓られた胸。
いつもは優しく触れるか、舐めるだけなのに
『嫌だ、痛いよぉ』
今日は微塵足りとも優しく触れて貰えなかった。
少な過ぎた胸への愛撫。
「ぇっ!?」
突然グイッと無理矢理限界ギリギリ迄開かされた両足。
『嘘だろ?』
「嫌ぁあああっっっ」
慣らしもせず、一気に貫かれた。
凄まじい程の激痛が身体を苛む。
痛くて痛くて、涙腺が崩壊したかの如く涙が零れた。
「ぃあっ、ひぁああああっっ」
すかさず揺さぶられ始めた身体。
尋常でない痛みに、快感のかの字さえ感じ取れない。
何度も意識が消えるのに、突き動かされる度に痛みで呼び戻される。
この人は誰?
ねぇ何処に居るの?土方。
今すぐ此所に来て?
俺を助けて?
こんなの悪い夢だって、俺をいつもの土方に逢わせて?
嫌だよ、こんなのは嫌だ。
絶望感に襲われながら、俺はアイツに強姦された時の事を思い出した。

全てが闇に包まれた瞬間。
「ゃぁああぁぁあああ」
痛みに泣き叫びながら
『も・嫌だよ土方』
俺は、あの時よりも深い深い闇に墜ちていった。

意識が完全に消えかけた時
「好きだ」
『ぇ!?』
突然囁かれたセリフ。
『土方?』
一気に身体の感覚が戻った。
『嘘?本当なのか?』
でも変わらない冷たい表情。
『聞き間違い?』
でも微かな期待が胸をときめかす。
「・・・好き。好きだよ土方」
掠れた声で囁くと
「!?」
一瞬見開かれた瞳。
『土方?』
「ひぁっ、ぁああっ、ゃぁん」
その後再び激しく揺さぶられた。




その日を境に
『嫌だ、痛いよ土方』
土方は俺を無理矢理抱く様になった。
痛くて怖くて堪らないのに
「好きだ」
時々囁かれる甘美な声。
好きならどうして?
どうして優しくしてくれないんだ?
ねぇもう一度微笑んでよ。
優しく俺に触れて?
あの温かな瞳で、俺を見詰めて?
ねぇ土方。
もう一度優しかった頃の・お前に逢いたい。

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