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3
「最近ご機嫌だなお前」
坂田からのメールを見ながら浮かれる俺。
高杉に変な顔をされた。
「ああ、猫の名前分かったんだよ。スッゲェ俺に懐いててさ、マジ可愛いんだぜ?」
[今日も公園で待ってるね]
語尾に付いたハートマークがなんとも可愛らしい。
「はぁ?名前分かったって飼い猫だったのか?拾い猫って」
「あ〜言い方悪かったな。ソイツは人間だ」
「へぇ〜お前が他人に興味示すなんて珍しいな」
確かに。
俺は誰彼構わず戯れ合うのは余り好まない。
高杉も同じ人種で、俺以外とは余りつるまない。
というか、高杉はワザと壁を作っている感じがする。
深く干渉されるのを嫌がってるみたいな?
「好きなのか?その猫の事」
聞かれ
「え?」
戸惑った。
俺が好きなのはコイツじゃなかったっけ?
でもアイツも可愛くて堪らない。
相変わらず高杉には欲情しねぇし、俺の好きって何だ?
「お前はさ、どうなんだよ。居るんだろ?好きな奴。告白しねぇのか?」
自分の答えが分からなかったから、敢えて話題を逸した。
「俺は無理。逢えねぇし、告白する権利もねぇからさ?」
「は?何だソレ」
ワケ分からねぇ。権利って何だ?
「ずっと好きなんだろ?なら、すりゃ良いじゃんか」
一途に想い続けてんだろ?
そんなに想われてるんならさ、俺だったらスッゲェ嬉しいけどなぁ。
「俺はアイツを、銀時を裏切ったから」
『銀時?』
「なぁ前々から思ってたんだけどさ、銀時ってまさか坂田銀時か?」
『まさかなぁ?』
いつも逢うのは公園で、私服だった。
何1つ学校の事を話さない銀時。
「なんでお前が知ってる?」
『嘘だろ?だって銀時は・俺の・・・俺の物・だ』
「土方?」
突然押し黙った俺。
訝しげな顔をされた。
「ずっとソイツが好きなのか?」
ゆっくり聞いたのはそんなセリフ。
「ああ、俺は一生アイツしか愛せない」
分かり切っていた答えだったのに、無性に腹が立った。
明らかにコレは嫉妬。
でもドッチにだ?
高杉にか?それとも坂田?
分からない。
ずっと高杉に想われ、これから先も想い続けられる坂田。
なんか物凄くムカつく。
狡くねぇか?
不変の愛情。
多分一生高杉は、坂田を見守り続けるのだろう。
なんだよソレ。
何度か耳にした、坂田からの晋助って名前。
アイツも高杉が好きなのか?
ならどうして俺と居る?
どうして俺に大人しく抱かれているんだよ?
坂田にとって、俺ってなんだ?
分かんねぇよ坂田。

モヤモヤした気持ちのまま向かった公園。
いつも坂田は初めて逢ったブランコで俺を待っている。
「土方」
パアアッ、俺を見付けた瞬間輝く顔。
いつもは物凄く可愛く見えるのに
《一生アイツしか愛せない》
高杉のセリフが甦り、激しく苛ついた。
「土方?」
笑い返さなかった俺に、違和感を感じた坂田。
一向にブランコに近付かない俺。
ゆっくり坂田が歩み寄った。
「どうした?なんかあった?」
心配して触られた頬。
パシンッ、払い除けてしまった。
『しまった』
気付いた時には遅く
「ぁっ、ご・ごめん」
真っ青になった坂田が居た。
「ごめん、俺何か怒らせた?謝るから、だから・・・・・嫌わな・いで?」
震える声。
宥めてやらなければいけなかったのに
「ぇ?」
俺はそのまま坂田を担ぎ上げ、自室へ運んだ。
「あ・の土方?」
ボスンッ、乱暴にベットに寝転ばされ困惑状態の坂田。
クスリ悪魔の笑みを浮かべると
「壊してやるよ坂田」
低く死刑宣告にも近いセリフを耳打ちした。

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