Y ピンポーン♪ 翌朝、玄関の呼び鈴が鳴りガチャリ扉を開けた。 父は仕事で家に居ない。 『誰だろう?今日約束してたっけ?』 携帯のメールで確認したがやはり思い出せない。 ガチャリゆっくりドアを開けた瞬間、 「!?」 絶句した。 俺は母の顔を知らない。0歳の頃の写真やアルバムを全て母が持って行ったからだ。 だからマサカ兄弟が居たなんて、聞いた事もなかった。 「よっ」 ニッコリ微笑まれ固まった。 ソコに居たのは金髪で俺より5cm位背の高い男だった。 俺と少し似た顔。俺より低めだが似通った声。 明らかに血の繋がりを感じる。 「誰?」 尋ねると 「坂田金時。お前の兄」 告げられ 「昨日さ、偶然見掛けたからさ勝手に家迄着けさせて貰った」 え!? サラリ当然の様に言われ驚いた。 後を着けたって何で? 「ずっと逢いたかったんだ」 突然抱き締められ、寒気を感じた。 オカシイ。 何故? 久々に逢えた兄。 本来ならば嬉しくて堪らない筈なのに、怖くて堪らない。 「銀時」 呼ぶ声は優しいのに、冷たい瞳。 嫌だ怖い。 嫌っ!!土方っっ、今すぐ来て!!!!逢いたいよ。 今スグお前に逢いたい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |