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『あれ?』
目が覚めると、部屋にソイツは居なくて
『名前聞き忘れたな』
苦笑いしてしまった。
昨日の俺はどうかしてた。
初対面の男を抱くなんて、マジ有り得ない。
初めてが男だなんて、俺は異常か?

唇を触ると、まだ甘い感触が残ってる気がした。




「おはよう」
登校すると
「なんか今日スッキリしてね?」
不思議そうな顔をされた。
そりゃあ昨日初体験したしな?
つか、俺そんなに分かりやすいのか?
「なんかあったか?」
高杉に聞かれ
「ん〜?スッゲェ可愛い猫拾ったかな」
ニヤリ笑った。
「はぁ?お前猫好きなのか?」
そう聞かれ
「まぁな」
再び笑った。

スッゲェ気になる名前。
無意識に探してしまう姿。
つかガラじゃねぇな。イカれたか?俺。

高杉は好きだ。けど欲情した事はない。
それは俺がノーマルだからって思ってた。
なら、何故昨日俺はアイツを抱いたんだ?
何故欲情した?
ワケ分かんねぇ。
けどハッキリ分かる事は唯1つ。
もう一度、アイツに逢いたい。

落ち着きのないまま過ごした1日。
下校途中、淡い期待を抱きながら昨日の公園へ脚を向けた。
って、居るワケねぇな。
ブランコを見たが、なかった姿。
軽く苦笑しつつその場から離れると
「あっ」
公園に入って来る銀髪と目が合った。
途端嬉しそうに弛む可愛らしい顔。
小走りで近付いた。
「昨日悪かったな。突然あんな事」
言いながら赤くなってしまう俺。
マジダサイ。
「い・嫌じゃなかったから良いよ」
俺以上に真っ赤になった銀髪。
「なぁ、名前教えろよ」
耳元で囁いた。
「ん・ふぁ・ふ、ぁ、銀・時。んんん、坂田・銀時だよ」
チュッ、クチュ。
「俺は土方十四郎だ」
口付けながら交わす自己紹介。
ヤバいな、マジハマっちまった。
コイツの唇スゲェよ。
「んんっ、はんんんっっ」
深い深い口付けの後
「坂田、俺のになれよ?」
無意識に囁いてしまったセリフ。
心が、身体が暴走する。
本気でコイツが欲しい。
「嫌か?」
ハムッ、軽く耳を口に含みながら尋ねると
「・・・ヤじゃ・ない」
泣きながら呟かれたセリフ。
ヤベェなマジ可愛い。
「ならお前からキスしろ」
命令すると
「・っ」
ためらいながらされたキス。
震えながらキスって、慣れてねぇのかな?自分からすんの。
抱いた時もスッゲェ怖がって震えてたし、何もかもまだ不慣れ?
可愛いな、マジ俺色に染め上げてやりてぇ。
グイイイッ、無理矢理腰を引き寄せると
「んん、はんっ、土・方ぁ」
貪る様に唇を奪った。
沢山キスを重ねると
「家行くか?」
部屋に誘い、そのまま抱いた。
声も顔も性格も全て俺好み。
まさか自分が男に欲情するなんてさ。
有り得ないのに
「土方」
ふわり微笑まれながら名前を呼ばれると、心が穏やかになった。
『こんなのも悪くねぇかもな?』
微笑み返すと、物凄く嬉しそうに弛む顔。
好きになるのはあっという間だった。

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