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U.嫉妬【土方SIDE】1
俺の名前は土方十四郎。
「おはよう高杉」
「おはよ」
密かに想いを寄せている奴が居る。
ソイツの名前は高杉晋助。
中1ん時同じクラスになって以来毎日一緒に居る。
所謂親友みたいな物だ。
高杉はスッゲェ綺麗な容姿をしていて、物凄くモテるのに
「ごめん、好きな奴居るから」
毎回同じセリフで女の子をフっている。
さっきの子スッゲェ可愛かったのにな。マジ勿体ねぇ。

時々哀しそうに、そして寂しそうに歪む顔。
なぁ、お前一体何を考えてるんだ?
誰を想ってる?

いつも側に居るのに、気持ちだけは分からなかった。

偶然ずっと一緒だったクラス。
高校もスッゲェ幸運な事に同じ所に決まった。
て言っても、実際はシレッと同じ所を受けたんだがな。
「マジツイてんな。高杉、俺ら又同じクラスだぜ」
クラス分けの大きくて白い紙の前、喜びを噛み締める俺。
『あれ?』
が、高杉は真っ青な顔をしていた。
どうした?気分でも悪いのか?
「高杉?」
心配しながら名前を呼んだ瞬間
「・・・・・・銀・時・」
高杉が誰かの名前を口にした。
『えっ、今なんて言った?』
小さ過ぎて聞き取れなかった言葉。
顔を見詰めると
「大丈夫か?」
高杉は顔面蒼白だった。
それから、高杉は変だった。
毎日教室でジッとして、放課後はスグに帰宅した。
誰か逢いたくない人でも居るのだろうか?

それでもやはり来るのは
「好きです」
女の子からの告白。
返答は以前と同じだった。
なぁ高杉、好きな奴って誰だ?
俺でないのは確か。
でも俺が知っている奴でもない。
なら、小学校の頃の奴か?
マジ気になる。

そんな感じで過ぎた1ヶ月。
だが突然
「・っ、銀・時」
窓の外を見ていた高杉が見知らぬ名前を口にした。
『銀時?』
クラス分けの時に呟かれた名前。
知り合いか?
チラリ目線を向けると
『なんて顔してんだよ?』
泣きそうな哀しい顔で、高杉は窓の外を見詰めていた。
だが、少し嬉しそうな不思議な表情。
『変なの』
目線を教科書に戻すと、俺は授業に戻った。
『誰だろう?』
気にはなったが、聞くつもりは更々なかったから、そのまま俺は気にしなかった。

そんなある日
『なんだアレ』
家近くの公園に人影が見えた。
『家出か?』
ずぶ濡れでブランコに座っている銀色。
何故か無意識に脚が動いていた。
スッと傘に入れてやると、物凄く驚かれた。
が、目線が合った瞬間驚いたのは俺だった。
何コイツ。
スッゲェ可愛い。
ウルウルと潤み切った瞳。
濡れた髪から滴り落ちる滴。
不安そうに向けられた目。
綺麗な銀髪。
白い肌。
ルビーの瞳。
『人形か?』
思わず有り得ない考えが脳を過ぎった。
『バカか俺。んなワケねぇだろ』
取り敢えず雨宿りさせようと考えた俺は
「ぇ!?」
戸惑うソイツを無視して、無理矢理自分のマンションに連れ帰った。
で、強引に風呂に入れた。
つか、なんで抵抗しないんだ?コイツ。
浴槽の中、膝の間に座らせたのに体重を預けたきた銀髪。
『俺と同じ匂いがする』
同じシャンプー等を使ったせいで、した同じ匂い。
なんかスッゲェ変な感じ。
つか、ぇええ!?
ヤバい、俺反応してね?
ググンッ、持ち上がった自身。
「!?」
ビクリ膝の間の銀髪が驚き振り返った。
「悪い、勃っちまった」
苦笑し、ザバァッ突然銀髪を抱き上げ浴室を出た。
向かう先は寝室。
「えっ、何?ちょっ、嫌だ、何すんだよ?」
嫌がる姿が、余計俺を煽る。
「ヤダ、晋助、晋助ぇっっっ」
無理矢理口付けた瞬間、叫ばれたセリフ。
『晋助?』
まさかコイツ、高杉の知り合いか?
ガタガタ震える銀髪が目に入り
「悪い、もうしないから許せ」
キュッ、優しく抱き締めた。
トクントクン聞こえるのは俺の鼓動?
それともコイツのか?
抵抗なく抱き締められている銀髪の顔を見詰めるとカァアアアアァァアッ、赤くなった頬。
『何コイツ、マジ可愛いじゃん』
堪らず口付けた。
驚きで固まっているソイツ。
だが、抵抗がないのを確認すると
「んっ、ふぅ・んんん」
何度も貪る様に唇を重ねた。
スッゲェな。コイツの唇マジ甘い。
柔らかいし、甘いし、本当に同じ男かよ?

いつの間にか首に回された白い腕。
「・・・・・ぁぁぁっ」
名前も知らない銀髪。
初めて逢ったにも関わらず
「ふぁぁぁぁぁんっ、ゃぁぁっ」
俺は抱いてしまった。

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