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時々不意に耳元に掛かる吐息と声。
力強い腕の力。脈打つ心臓の音。
想いが加速する。
どうしよう止められない。抑えが利かなくなる。
土方が好きで好きで堪らない。
けれど、恋人が居る土方に告白なんて出来ない。
どうして?どうして土方なんだろう?
綺麗で魅力的な人は沢山居るのにどうして?
物凄く人気があって、尚且つ恋人迄居る土方。同性の俺から見ても最強に理想的な人間だ。
「坂田?」
潤んだ瞳で見詰めると
「疲れたか?」
そぉっと頬に手を添えられ胸が激しく騒いだ。
「ごめん。ちょっと休もうかな」
俯く事で紅い顔を隠し、プールサイドに向かった。
危ない危ない。今絶対バレそうだった。
パシャパシャ冷たい水を頬に掛ける事で、ほてった熱を沈めた。
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