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V-V
「じゃあ、又、メールするから」
気まずそうに部屋を出たスザク。
久々に沢山イカせて貰えた昨晩。
最後は、まるで・恋人同士の様な、幸せを感じれた。
触れて貰えた唇が、まだ・甘さを覚えている。
《ルルーシュ》
囁かれた名前が、まだ・耳に、残っている。
好き。
隠しようもない位、スザクが・好きだ。


トントンッ。
スザクが立ち去って約10分位経った頃、ノックされた部屋の扉。
「兄さん、入って良い?」
遠慮がちに聞かれ
「少し待ってくれないか?」
慌てて服を着、
「良いぞ?」
声を掛けた。

カチャリ開けられた扉。
「兄さんっ」
少し怒ってるのは何故?
「どうした?ロロ」
ワケが分からず尋ねた。

「ねぇどうしてまだ、抱かれてるの?」
「っっっ!!お前、なんで!?」
突然聞かれた質問。
激しく動揺した。
「もう、全て思い出したんでしょ?なら、もう抱かれる必要はないよね?」
ズキン、痛む胸。
「あの人は兄さんの敵だよ」
止めろ。
「裏切った人なんだよ?」
言うな。
「あの人は、兄さんを好きじゃない」
言わないでくれ。
「兄さんを好きなのは僕だけだよ。だからもう、あの人を見ないで」
ああ、そういう事か。
ロロ、お前は嫉妬してくれてるんだな。
でも前みたいに、お前を心から信じる事は出来ない。
お前だって敵だろ?
好きだなんて、俺に付け入る為の嘘じゃないのか?
その優しさも、俺を騙す為の演技じゃないのか?
記憶が甦った瞬間から疑い始めたロロの言動。
何もかもが疑心暗鬼になる。
今目の前にあるのは全て嘘。
だったら俺は何を信じれば良い?
信じられるのは自分のみ。
でもまだ脳内は混乱中。
時折グルグルグルグル回ってはグチャグチャになる。
だから俺は
「バカだなロロ。アレは演技だよ」
「本当?」
「俺が本気で裏切り者を愛すワケないだろ?」
笑顔で演技する。
世界が嘘で出来ているのならば、俺も嘘で固めよう。
偽りの言葉、偽りの笑顔。
「今俺が好きなのはお前だよ?ロロ」
お前が俺を騙すのなら、俺も騙してやる。

「なら、清めさせて?」
なっ!?
「スザクさんの触れた形跡全て、僕のに変えさせて?」
嫌だ。ソレだけは嫌。
だって久し振りだったんだ、あんな風に抱いて貰えたのは。
久々に触れて貰えた唇。
ずっと欲してやまなかったキス。
今日だけは、誰にも触れられたくない。
「ごめんロロ。疲れてるんだ、明日にしてくれないか?」
スザクが触れるのは演技の為だけ。
だけど今日だけは違った。
多分少しだけ素のままのスザクが居た。
だって演技だけだったら、キスしない。
優しくなんて抱き締めてくれない。
まだお前は俺を好きでいてくれている。
だってそうだろ?
本気で嫌いなら触れたくもない、そう、だよな?
ほんの僅かでも、俺を愛してる。
そう願う位、赦されるよな?
スザク。


「分かりました。今日は抱かない。けど明日、明日は抱くからね?」
「ロロ?」
バタンッ、ドアを閉め去っていったロロ。
キツい口調で言われたセリフ。
嫉妬に塗れていた。
アレは本当に演技か?
何処迄が演技で、何処からが真実か、区別が付けられない。

ハァァァァーーー、深く溜め息を吐くと
「もっと冷静にならなくてはな」
自嘲した。

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