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2
目を覚ましリビングへ行くと、ソファーで寛ぐ兄貴が居た。
キョロキョロ見渡したが柚ちゃんは居ない様子。
聞くなら今しかない。
「はぁ!?素直な柚樹が見たいって?」
コクコク頷きながら
「頼むよ兄貴。どうやったら柚ちゃんあんなに可愛くなんの?」
必死に頼んだ。

俺だって兄貴みたいに柚ちゃんに甘えられたいよ。
兄貴ばっか狡くね?

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『あれ?』
無言になった兄貴。
俺なんかヤバい事言ったか?

「お前まさか、あの鼻血って」
落ち着きが減った兄貴。
「もしかしなくても・覗いた?」
苦笑しながら聞かれ
『しまったぁ!!バラしちゃったよ俺っっ』
墓穴を掘った事に気付いた。

「ご・ごめん」
取り敢えず此所は謝れ。謝るんだ自分っっ。
焦りながら謝ると
「俺こそ見せて悪かったな?次からは絶対鍵掛けるから」
ハハハと笑われた。
つか、笑顔メッチャ引きつってるぅっ!!
冷静に振る舞ってるが、見られたの恥ずかしかったのかな?
「話戻させて貰うよ兄貴。柚ちゃんはどうして、兄貴の前でだけ素直で可愛いんだ?」
頼むから柚ちゃん攻略法を俺に伝授してくれ。
「えっとソレは、俺が柚樹の一番の相談相手だからかな?」
相談相手?って何ソレ。
「俺さぁ、幼稚園年少の頃から柚樹が好きなんだ」
へぇ〜そんなに前からなんだ。
「初めて幼稚園に行った日物凄く泣き付かれてね。本気で可愛いって思ったよ」
行かないでぇ、柚を1人にしないで、とか可愛いセリフを言いながら泣き付いたのかな?
つか小さい頃の柚ちゃんってマジ可愛かったんだよなぁ。
今も最強可愛いけど。
「好きだって自覚してからは柚を知り尽くしたくて。毎日その日何をしたのか色々聞き捲ってたら、いつの間にか本音言ってくれる様になった。まぁ慣れに近いかな?」
ハッ、しまった。妄想世界にトリップしてて聞き流しかけたよマジで。
つか、慣れ?
ていうかソレ俺がしたらウザいとか言われね?
多分柚ちゃんは、兄貴を心底信頼してるから素直になれるんだろうな。
慣れもあるかもしんねぇけどさ?
兄貴の前以外では壁を作っている柚ちゃん。
俺も信用ねぇのかな?
あ〜あぁ、ほんっとマジ自信ねぇ。
俺柚ちゃんにもっと好かれたいな。

「何暗くなってんだ?瑞樹」
不思議そうに聞かれ
「1回でも良いんだ。俺柚ちゃんに甘えられたいよ」
懇願した。
軽く溜め息を零し、クシャリ自分の頭に手をやると
「マズは柚樹に相談して貰える様になれ」
兄貴は伝授を始めた。

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