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素直【瑞樹SIDE】1
「ん・ふ、っぁ」
漏れる甘い声。
「可愛いよ柚樹」

『し・しまったぁ、又遭遇しちゃったよ俺』

前回に引き続き、俺はどうやら最強にタイミングが悪いらしい。

帰宅後、柚ちゃんの部屋をそぉっと開けたのが間違いだった。
玄関に兄貴と柚ちゃんの靴が2足あったし、柚ちゃん何処にも居なかったらからさ。
2人で何してんのかなぁ?って思ったんだよ。
べ・別に覗きじゃないからな?
って、今覗いてる真っ最中だが。

「ん、は・ん、ぁっ、雅樹ぃ。も・欲しいよぉ」
ぇっ?
「欲しいって何が?」
「雅樹の熱いの此所に入れて?」
うっわ、柚ちゃんメッチャ素直。
「なら、舐めて?」
口元に差し出された兄貴の右手を舐める柚ちゃん。
ピチャッ、ピチュッ。って舐め方エロっ!!
「こんなに沢山舐めて」
クスッ、兄貴は軽く微笑むと
「そんなに奥迄欲しいの?」
耳打ちした。
って、そうだよ柚ちゃん。
兄貴指長いから大変だってばっ。
「うん、欲しいの。だから一杯ほぐして?雅樹の指で、俺の中グチュグチュゥって・して?」
グハァッ!!は・鼻血出た。
ティッシュぅ、ギブミーティッシューっっ。
慌てて自室に戻りティッシュを鼻に詰める俺。
このまま鼻血止まる迄ごろ寝しておこう。
そうせねばならないのに
「ぁぁんっ、ソ・コ。ぁふ・ぅぁぁぁん」
自然と足は柚ちゃんの部屋へ。
ヌチュッ、クチ、クチュ、ズチュッ。
うっわ、入ってるよ指。
ティッシュで鼻を押さえながら覗く俺と、気付かない2人。

見ちゃダメだと分かりつつも、見てみたいという願望の方が遥かに強くて
『コレ刺激強過ぎかも』
バターンッ。。。
「ぇっ、ちょっ、瑞樹ぃい!?」
「オイ瑞樹、どうしたんだ?」
俺は廊下に倒れた。
原因は出血による貧血。
って、鼻血だがな。




あ〜気持ち良い。
そよそよ心地良い風で瞼を開けると
「柚ちゃん?」
柚ちゃんが団扇で扇いでくれていた。
額には濡れタオル。
「大丈夫?瑞樹」
物凄く心配そうに聞かれ、ちょっぴり気まずくなった。
「鼻血出して倒れるなんて、疲れかな?それとも気分悪い?」
泣きそうな顔で聞かれ、[原因は覗きです]とは言えなかった。

「大丈夫か?」
声が聞こえ顔を上げると、兄貴が近付いて来た。
手には洗面器。
枕元にもう1つあるから替えを持ってきたのだろう。
「あっ、雅樹」
兄貴が来た瞬間嬉しそうに綻ぶ頬。
「起きたんなら新しい水は要らないな。瑞樹、血は止まったか?」
尋ねられ、触る鼻。
「あっ、大丈夫みたい」
どうやら鼻は落ち着いた様子。
「ならもう少し休んどけよ?」
2つの洗面器を両手に立ち去る兄貴。
「頭とか痛くない?」
部屋に残されたのは柚ちゃんと俺だけ。
柔らかく髪を撫でられながら聞かれた。
『わっ、マジ気持ち良い柚ちゃんの手』
宝物か壊れ物に触れる様な手付きでヨシヨシされ
「瑞樹?」
俺はそのまま、瞼を閉じた。

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