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W-V
「良いよ。沢山抱いてあげる」
甘い声を耳打ちされ
「ぁんっ」
無意識に零れる声。
「雅兄ぃ」
甘えた声を出すと
「その前に診察しような?」
優しく微笑まれた。

ぇっ、診察?

って、ぇえっ!?

慌てて我に反りキョロキョロすると、顔を真っ赤に染め上げた医師と瑞樹が視界に入った。
いつの間にか母さんと父さん迄居るしぃっっ。
俺マジ恥ずかしい今。
慌てて雅兄に抱き付き
「恥ずかしいよぉ」
泣き出してしまった。




その後、泣き付かれた俺。
診察は、寝ている間に終わった。

雅兄の話によると、俺を襲った先生と生徒達は警察に突き出され、先生は解雇、生徒は退学になったらしい。
だからもう大丈夫だよ。これからは俺が全力で守るからって雅兄に言われ、俺はまるで女の子の様に胸をときめかせてしまった。


思ったより深かった傷。
何処の?とか聞くなよ?
マジ痛かったんだからな。
‖WC‖やシャワーの時染みるし、診察はマジ赤面物だし。
排泄は傷を悪化させるからって、毎日下剤飲まさせられたし。
痛過ぎて椅子には座れないし。
まぁ、言えば切りがないからコレ位にしとくが、ほんっと病院生活は泣きそうでした。

そんなこんなで、完全に傷が完治したのは約1ヶ月後。

「退院おめでとう」
漸く我が家に帰って来る事が出来ましたぁ♪
久々の我が家。久々の俺の部屋。久々の母さんのご飯。
ああ、なんて我が家は素敵なんだ。
病院生活が余りに嘆かわしかった為、家が物凄く天国に見えた。

翌日
「おはよう」
これ又久々に登校すると
「柚樹くん大丈夫だった?」
「風邪で肺炎になりかけたんでしょ?」
「入院してたなんてほんっと心配したんだからね?」
口々に声を掛けられた。
えぇっとどうやら俺、風邪こじらせて肺炎なりかけて入院した事になっている様です。
学校側の配慮かな?
マジありがとうございます。
教室入り口で立ち止まったまま
「もう大丈夫だから」
ふわり微笑むと
「きゃぁあああああ柚樹くんが笑ったわよぉ。久々ぁ」
「可愛いっっ!!!」
「柚樹今の笑顔もう1回。写メ撮るから」
異常な位騒がれた。
なんか今さり気に女の子だけでなく、男の歓声も上がらなかったか?
き・気のせい、気のせい。引きつりながら、俺は自分の席へ移動した。

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