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T-U
「久し振りだねルルーシュ」
微笑みながら家を訪ねて来たスザク。

「この部屋も久々だ」
クルリ部屋を見渡されて
『散らかってないよな?』
少し不安になった。

「ねぇ、今日は何したの?」
いつもの質問。
「変なスザク。まだ8時だろ?シャワー浴びて朝食を口にしただけだよ」
クスリ笑った。
好きな人が、たった数時間の事でも気にしてくれるなんて・なんかくすぐったい。

「ならスザクは何してたんだ?」
俺にも聞かせろよ、お前の事。
知りたいんだ、スザクの事。
今よりもっと、もっと。沢山知りたい。
そして、もっと。知らない事なんて無い位、俺の事を知って欲しい。

「僕も君と同じだよ」
微笑まれて、ドキリざわめく鼓動。
バカ、同じとは朝の行動の事であって。思考ではないのに。

「ルルーシュ?」
紅くなった頬を不思議そうに触るスザク。

トクトクトク。早鐘を打つ心臓は、気付かれたくない。

だって、恥ずかしいだろ?
お前の言動で一喜一憂してしまう程好きだなんて。そんなの、女の子みたいだ。

「コレ、飾ってくれてたんだ」
ベットの上に置いているぬいぐるみ。
らしくないから要らないって言ったのに
《俺だと思って?》
微笑まれ、スンナリ受け取ってしまった。

「一緒に寝てくれてるの?」
ニコニコ笑いながら聞かれ
「ち・違う。タダ・布団の上に置いただけだ」
必死に弁明するが、紅くなった顔では誤魔化しが効かない。

「ルルーシュ、顔紅いよ?」
クスリ耳元で笑われ、益々ほてる頬。

「可愛い」
小さく呟かれ、キュウゥッ。胸が締め付けられた。

どうしよう?聞こえてしまう。
煩く騒ぎ捲る胸の鼓動。
お願いだから、頼むから。これ以上近付かないで?

期待してしまう。
もっともっと、触れて欲しいって。
抱き締めて欲しいって、側に居て欲しいって。
我が儘な考えが脳を占めてしまうから。

「・・・触れるな・」
口に出してはならない思考を無理矢理遮断する為、敢えて拒絶の声を出した。

なのに

「嫌」

え!?

微笑まれながら囁かれたセリフ。

「折角久々に逢えたんだからさ。もっと、君に・触れさせて?」
低くて甘い声で耳打ちされて
「んっ」
ビクビク震える身体。
甘い刺激が全身を満たす。

狡いよスザク。

優しくしないで?

「相変わらず綺麗な髪」
掬われる髪。
「此所、赤くなってる。ダメだよルルーシュ。キチンとUVカットしてる?君は肌弱いんだから、気を付けて?」
そぉっと撫でられる髪の生え際。
ゾクゾクする。
「このリップもシャンプーもリンスも全て、僕が好きなヤツだ。覚えててくれて嬉しいよ」
触れそうな位近付けられた唇。

お願い、至近距離で話さないで?
意識してしまうから。

「ぁっ」
耳に触れられた瞬間洩れた声。

しまった。

慌てて口を塞いだ。

「えっ!?ちょっ、スザク?」

クルリ回る視界。
突然ベットに押し倒された。

「ルルーシュ」
耳元で呼ばれる声。

ダメ、呼ばないで?

「ルル」

「っぁ、ゃぁ」
ペロリ舐められた耳。

思わずキュッ、スザクの腕にしがみついてしまった。

「可愛い」
囁かれたセリフ。

ぇ?

嘘。
だって、俺可愛くない。

「もっと聞かせて?」
トクンッ
「もっと聞きたい、ルルーシュの声。僕だけに聞かせてよ?」
甘噛みされる耳。

チュクチュク口に含まれ
「ゃぁん、ゃん、ダメぇ。スザク・ヤダ。止めて・っ」
恥ずかしくて涙が零れた。

こんなのダメ。

俺が俺でなくなってしまう。

スザクが欲しいって、もっと沢山触って欲しいって。
有り得ない思考が芽生える。

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