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IF T 『揺らぐ』【柚樹SIDE】1
※今回は雅×柚メインの三角関係なR18指定パロになります。
パロな為、いつもの設定とは異なります。




『揺らぐ』

「え!?」
ガチャンッ、思わず持っていた箸を落とした俺。
「今何て言ったの?母さん」
朝食を食べていた時だった。
突然母が
「ん?聞こえなかったの?母さんね、復縁するから」
朝っぱらから爆弾発言をした。

俺には1つ違いの兄と弟が居る。
だが、弟が1歳の頃離婚したからか、俺はそれ以来一度も父と兄弟に逢っていない。

「で、早速10時に挨拶しに行くから用意して?」
はい!?
「何処に?」
「勿論家によ。あ〜久しぶりだわ、あの家に行くの。ドキドキしてきたかも」

ちょっと展開早過ぎっ、と思ったが
「雅樹と瑞樹に逢うのも久々だから楽しみだわ」
少女の様に瞳を輝かせながら満面の笑みで喜ぶ母を見て
「良かったね」
俺は苦笑した。

「じゃ、俺用意するから」
急いで朝食を終わらせると
「9:20位には家出るからね?」
母に微笑まれた。

只今の時刻8:40。
『シャワーも浴びたいし、少し急ぐか』
慌てて用意を始めた。




で、着いたのは良いんだが
「ねぇ、家ってコレ?」
「そうだけど、何?」
俺は家の前にて硬直してしまった。

目に入るは、物凄く大きな、家というより豪邸っぽい建物。
此処本当に父さんが居る家、なのか?
まさか母さん、金持ちの知り合いの家に遊びに来た、とかじゃないよな?

訝しげな視線を向けると
「柚ちゃん、今日から此処が我が家よ」
母はニッコリ微笑んだ。

って、マジですか???
父さんって金持ちだったんだ。
ビックリしたよ。

「どうしたの?柚ちゃん」
キョロキョロ見渡してみたけれど、見れば見る程豪華だな。
なんか緊張する。

そんな俺の心境に微塵足りとも気付かなかった母。
「さぁ入るわよ?」
ピンポーンッ♪
玄関の呼び鈴を鳴らした。
って、心の準備がぁ。。。



ガチャリ開けられた扉。
「いらっしゃい」
って、ちょっ、誰ぇ???このスッゴイ格好良い人はぁ?
「今日から又宜しくね?貴方♪」
・・・・・・・・え!?
ちょっと待て。
今母さん何て言った?
この格好良い人が俺の父親なのかぁ?
スッゴイ美形だぞ?
スッゴイ若いぞ?
俺似てなくない?

「久しぶりだな柚樹。写真では沢山見たけれど、逢うのは物凄く久々だ。スッゴク可愛くなった」
写真?
って、何だ?
の前に父さん、普通久々に逢った息子には可愛くなったじゃなくて格好良くなったか、大きくなっただろ。
俺娘じゃないからね?
まぁ取り敢えず挨拶するか。

「久しぶり父さん」
う〜ん。なんか照れるなぁこの響き。

「柚樹ぃ♪」
「うっわっ!?!?」
「やっぱ可愛いなぁ柚樹は」
ムギュゥゥゥーーーーーーッッ!!!
ハグされた俺。
俺はヌイグルミか何かですか父さん。
でもこれだけは言わせてくれ。
「違うよ父さん。お世辞なら可愛いじゃなくて格好良いだよ」
俺は男だ。
父さん言葉間違ってるよ。

「柚ちゃん」
『ん?』
耳に入るはクスクス聞こえる小さな母の笑い声。
『なんだ?』

「柚ちゃんに格好良いは似合わないでしょ?」
「はぁあ!?」
「柚ちゃんは何処からどう見てもスッゴイ可愛いんだから」
母さん親バカ?

「あのね、母さん」そう口を開き掛けた時だった。
「そうだよ。柚ちゃんは世界一可愛いんだから」
物凄い美声が耳に届いた。

『ん?今度は誰だ?』
ゆっくり声がした方へ顔を向けると
「久しぶりかな?それともはじめまして?」
物凄い美形がソコに居た。

・・・・・・・・・・・・・・・・って、誰?この美形。
芸能人か?それともモデル?
それにしてもスッゴイ格好良いなぁ。
背ぇ高いし顔も声も良い。
此処に居るって事はお客さんか?
でもさっき久しぶりって言ったような?

「柚ちゃん。この子が柚ちゃんの弟の瑞樹よ」
「は!?」
えっ、何それ?
俺と全然似てないぞ?
俺より身長あるし、コレで年下???

開いた口が塞がないとは正に今の状況だ。
ポカーン、と放心してしまった俺。
「柚ちゃん?」
不思議そうに顔を覗き込まれ
「狡い」
ポツリ零した。

「え?」
遺伝子の馬鹿野郎!!!
どうして超絶美形な父と弟が居るのに、俺思いっ切り顔違うんだ?
少しはその素晴らしい遺伝子俺にも分けて欲しい。

少し拗ね気味な俺。
軽く膨れて母さんの方を向くと
「「柚ちゃん?」」
母さんと瑞樹2人から声を掛けられた。

「ねぇ母さん」
「ん?」
「俺この2人と似てないんだけど?なんか瑞樹だけ父さん似で狡い」
「なんで?」
なんでってそりゃあ
「俺だってこの2人みたいに格好良い顔なりたいもん」
誰だって美形に憧れるだろ?

「「「ぇえ〜!?」」」
ちょっ、今全員ハモったぞ?

「柚ちゃんはママ似でスッゴイ可愛いじゃない」
母さん、ソレって自分が可愛いって言ってる?

「柚樹は物凄く可愛いぞ。今迄見てきた人間の中で母さんと同じ位可愛い」
父さん、ソレって惚気?

「柚ちゃん。柚ちゃんは世界で一番可愛いんだよ。もっと自信持って?」
瑞樹。お前の世界はどんだけ狭いんだ?
男が可愛い言われて自信持てるか。

心の中で激しく突っ込みを入れながらも
「ありがと」
お礼を言えた俺はある意味大人かもしれない。

ていうか、マジ嬉しくねぇ。

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