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T-U
【Act.T-U 飼い方マニュアル】

俺の住んでいる世界には2種類の猫が居る。
1種類目は極普通の物凄く可愛いフサフサした愛玩動物だ。

そしてもう1つは、ちょっと、いや、かぁなり変わっている。
見た目は人間。
分かりやすく言うと猫耳と尻尾の付いた猫人間だ。
10年位前、かなりの猫マニアだった有名な博士が、科学技術を駆使して猫人間を開発した。
猫の繁殖力は凄まじい物で、8年前には猫人間専用のペットショップさえ出来てしまった始末だ。

よく散歩とかで飼い主と仲良く歩いているのは見た事あるが、野良を見たのは初めてだった。

値段は確か一番安くて500万とか噂されていて。
まさか自分が野良とは言え猫人間を飼う事になるなんて、全く想像もしていなかった。
なんかほんの少しだけど金持ちになった気分だ。


「お前さぁ、餌は何食うの?」
ネコ缶だったらウケるよな。
「肉」
はぁ!?せめて魚って言えっっ。可愛くないなぁ。

突っ込み所満載だったが
「なら俺と同じヤツで良いんだな」
取り敢えず餌は分かった。

「寝床は何が良い?段ボールか?それとも檻購入すっか?」
でも檻だと高そうだな。
一応尋ねてやると
「ソコで良い」
ビシィッっと指差されたのは俺のベット。

オイ、せめてソファーにしろ。ソファーに。

「俺の寝る場所なくなるだろぉがっ」
軽く怒鳴ると
「一緒に寝りゃあ良い」
サラリ言われ
「ぁっ、そうだな」って、言い掛けた。

ちょっ、何流されてんだよ俺ぇ!?


軽く話してみて分かった事。
どうやら猫人間は人間と全く同じ生活スタイルらしい。

良かったぁ、なら世話楽じゃん。

安心した俺は、ペットではなく単なる居候が増えたって言う事実に全く辿り着かなかった。

あ〜あぁ、俺のバカ。

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