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4.銀時視点
土方が記憶喪失になった。

朝教室に入るなり、担任が説明し、気まずそうに土方が頭を下げた。

は?マジか。
記憶喪失なんて非現実過ぎてアニメやTVや本の中で位しかねぇと思ってた。
って、全国の記憶喪失の方々すみません。
じゃなくて、スッゲェな。
何その美味しい、いや、楽しい設定。
羨ま…って、違うだろ俺。
まずは心配しろ自分。
でも、う〜ん、なんか土方普通じゃね?
日常生活に支障ないって担任言ってたし、なんか大丈夫そうな気ぃする。

ジィィーーーッ。
無言で観察していたら、何故か担任と目が合った。
ん?何?
なんでそんな見てくんの?俺、なんかしたか?

「そうだ、坂田。お前土方の隣の席なんだから色々教えてやれ」
え?
「先生はテスト前で忙しいから頼むわぁ」
ちょっ、ぇ?
いや、先生。
忙しいとかテスト前とか、今関係なくね?
「よし、土方の事は坂田に任せたし、俺は次の授業の用意してくるな」
先生。
面倒だからって、生徒に責任押し付けないで下さい。

席に着くなり
「えっと、坂田だっけ?その、宜しくな?」
声を掛けられた俺。
「おっ、おう、宜しくな?」
互いに苦笑し、握手をした。


ていうか、どうしよう。

俺は土方が好きだ。
特に声。
別に声フェチとかではない筈なんだが、自己紹介の時一瞬で落ちた。
尚且つ美形だし、天はコイツを贔屓しているに違いない。
マジ狡い。
全くモテねぇ俺と違って人気ありまくりな土方。
羨まし過ぎて何かと衝突してしまった。
モテねぇ男の僻みだが、仕方ないだろ、妬んだって。
それくらい土方はモテるのだ。
学校中の生徒だけでなく、教師や登下校途中で出逢う他の学校の生徒や年下年上の方々からも熱い視線が集まる土方。
実際同性から見ても土方は格好良い。
ほんっと狡い。
好きと嫌いは紙一重だって言うが、ソレ間違ってねぇと思う。
俺土方の事スッゲェ好きだけど、それ以上にスッゲェムカツクし、嫌いだ。
顔見る度、話す度喧嘩になるし。
って、まぁ、ソレは俺が敵対心丸出しで接してるから明らか俺に責任があるんだが。

「取り敢えず学校案内からするか。知らねぇとトイレとか保健室とか移動教室の時困るから」
次の授業は担任のだし
「俺等次サボるから担任に学校案内しに行ったって言っといて?」
自治委員の新八に頼むと
「行くか」
俺は土方に微笑んだ。

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