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2.土方視点
入学して1ヶ月。
俺の高校生活は順風満帆だ。
初日から何故か沢山の女子に囲まれ、休み時間毎に何か色々貰える。
授業は偏差値が低い所に入ったお陰か滅茶苦茶簡単で、体育も好きなのしかなかったお陰で好成績を出している。
担任にも気に入られたらしく、教師受けも良い。
まぁ、そのせいで男子には敵が多いが、皆口だけだし、手を出してきてもスッゲェ弱いから俺ある意味無敵。
毎日が楽しくて堪んねぇってヤツだ。

鼻歌を歌いながらスマホを手に帰宅していたら
『えっ、ちょっ、マジかよ???』
前からスッゲェスピードで車が飛ばしてきた。
『ヤッベェ、轢かれる』
慌てて身体を後ろに引いたら
『イッテェエェエーーーッツ!!!』
ゴインッ!!!!
思いっ切り電信柱に頭をぶつけた。
『あっ、ヤッベ、なんか星見える』
で、そのまま意識が消えた。
歩きスマホは危ないって聞いていたが、まさか本当に我が身に危険が降りかかるとは露にも思っていなかった。




目が覚めると
『何処だ?此処』
真っ白な天井が見えた。
頭を強打したせいで、視界がぼやける。

「十四郎、分かる?お母さんよ」
「土方君分かりますか?」
「土方さん、コレ何本か見えますか?」

あのさ、ちょっと皆落ち着こうか。
一気に皆同時に話されたら何に返事して良いか分かんないだろ。
ていうか、なんかスッゲェ頭痛いし疲れた。
無言で目を閉じ、眠る体制に入ると
「大変だ」
なんか皆慌て出した。

ん?何が大変なんだ?

って、は?
何だ?ちょっ、本当に何だ?コレ。

何故かベットに寝かされたまま連れて行かれたのはCTスキャンの部屋。
頭部をスキャンされた。
念の為血液検査もしておこうと言われ、採血もされた。

えっと、俺電柱に頭ぶつけただけなんだけどさ、なんか大事になってないか?
ちょっ、お〜い、皆さん?
俺大した事ないですよ?
ちょっと頭痛いだけなんだし、何皆慌ててるんだ?

その後もなんか色々検査されて完全に疲れきってしまった俺は医師から色々質問されたが、面倒になってほぼ無言のまま聞き流していた。

そしたらなんと
『は?』
「十四郎。お母さん達協力するからね」
「何かあったらきちんと頼るんだよ?」
記憶喪失扱いになっていた。

はぁぁあぁぁあ???
ちょっ、オカシイだろ、マジで。

コレは面倒だからと適当に流してしまった医師との診断のせいか?

「十四郎」
「土方さん」
同情と憐れみの籠った視線を向けられて
『ヤッベェ。コレ違うって言えなくね?』
俺は顔を引き攣らせた。

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