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1.銀時視点
一人一人順番に前に来て自己紹介しろ。
高校初日、担任が教室に入ってきたなり言った台詞。
はぁ〜?かったりぃーよ、とか全員言いながらも廊下側の先頭の奴から立ち上がり自己紹介が始まった。

名前を言うだけで終わらせる奴もいれば、聞いてもねぇのに色々無駄な個人情報を暴露する奴もいて、待っちゃあいねぇのに俺の番が来てしまった。
あ〜あぁ、最悪。マジしたくねぇ。
理由は二つ。
面倒なのが嫌だ。
そして、自分の容姿。
ゆっくり立ち上がり前に出ると、あ〜あぁ、見てる見てる。
スッゲェ視線を感じる。

俺の髪と瞳は産まれた時からオカシイ。
クルクルテンパは珍しいが、まぁそれほどではない。
パーマでわざとする奴も居るしな。
だが、銀色はねぇ。
白に近い銀髪のテンパ。
日本人にあるまじき色に、初見の奴は全員ガン見する。
尚且つ瞳の色は赤だし、俺は白兎かっての。
マジないわぁ、萎える。

「坂田銀時」
不躾な視線が嫌で名前を言うだけで席に戻った。

席に座っても感じていた視線だが、次の奴が話始めると反らされた。

はぁ〜、マジ疲れる。
いっそ黒のカラコン入れて黒髪に染めるか。
机に肘を置き、一房前髪を軽く掴むと
『ん?』
周りが息を呑む音がした。
女子がざわついている。
なんだ?
立ち上がった奴の顔を見ると
『あ〜ね』
理解した。
艶やかなサラサラの黒髪。整った顔立ち。引き締まった身体。
女子受けするなコレは。
なんかムカツク。
勝手に対抗意識を燃やしながら睨むと
「土方十四郎」
奴が名乗った。

『………………………………っつ!!』
ヤッバ。
何コレ?
ちょっ、声良過ぎ。
うっわ、ちょっ、マジかよ。
顔良し、スタイル良しで、声迄良いとかマジ狡過ぎだろ。

周囲の視線が一気に熱を持ったのが伝わったのか気まずそうに土方は席に戻った。

俺の時は他の奴が話始めると視線が消えたのだが、土方は違った。
女子達の視線は完全に土方に集まったまま、いつまでも反らされる事はなかった。

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