Ⅰ-Ⅰ
【Ａｃｔ．Ⅰ-Ⅰ 命名】
俺の名前は坂田銀時。
最近高校1年になったばかりだ。
「取り敢えずシャワー浴びっぞ」
ずぶ濡れのまま、二人で向かう浴室。
濡れて纏まり付いた服は、重さを増していて気持ち悪い。
急いで脱ぐと
「お前も早く脱いで洗濯機に入れろよ服」
急かした。
「俺が先にシャワー浴びるから、ちょっと待ってろ」
命令したのに、大人しく待つソイツ。
『へぇ～一応言う事は聞くんだ』
安心して髪と身体を洗うと
「先上がってるからな」
ソイツを浴室に残して先に出た。
ガシガシ頭を拭き、身体の水分も拭き取ると
『コレで良いかなぁ？』
自分とソイツの服を用意した。
10分後
「お前なぁ、髪位拭けよ」
シャワーを済ませたソイツは髪を拭かずにリビングへ来た。
「今迄拭いた事ない」
……そっか。野良だったしな、気にしなかったのかな？
「今日からキチンと拭けよ？」
命令した。
トントン物凄く適当に拭く姿を見て
「ったく、乾かしてやっから」
ドライヤーを用意した。
『コイツ面倒臭がりなのか？』
ゴォォォー、乾かしながら
「なぁ、折角だから名前決めるか。お前何が良い？」
一応聞いてやると
「高杉晋助」
聞こえた名前。
って、あるんかよ？しかもフルネームだし。
「なら晋ちゃん？」
呼び方が分からなかったから適当に呼ぶと
「殺すぞ？」
威嚇された。
「なら高杉」
「ソレで良い」
無愛想に呟かれた声。
コイツ愛想ねぇっ！お前の名前は猫杉だ。
猫杉に決定だぁっっ！！
俺は勝手に心の中でニックネームを付けた。
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