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T-V
【Act.T-V バイトB】

「2人共レジ打ち経験ある?」
聞かれ
「いえ」
「ありません」
同時に答える。

「ならコレ、マニュアルだから休み時間利用して覚えてね」
見せられたマニュアル本。
なんかスッゴク分厚い。
こんな分厚い資料読みたくないなぁ。
手渡された瞬間、思いっ切り顔に出てしまった俺。

「大丈夫。店長が物凄く解りやすく書いてくれてるからスグ覚えられるわよ」
優しく笑われた。

店長って、銀八だよな?
パラリ開くと
「はぁ!?」
目を見開いてしまった。

大きくて見やすい文字と可愛らしい絵。

コレ銀八が書いたのか?
なんかスッゲェ可愛いぞ。
我が親ながら謎な人間だ。

先生に憧れているだけあって、物凄く分かりやすく書かれている。
スッゲェな。コレ普通に売れんじゃね?

挨拶の仕方、接客の心得、レジ打ちの仕方、店内の清掃の仕方等、対お客様のページだけでなく
「マジ分かりやすい」
猫人間と仲良くなる方法、世話の仕方、ご機嫌の取り方等、対猫人間に対するページもあって
「スッゲェなお前の父親」
土方と一緒に銀八の事を見直してしまった。

色々聞かれて返信した俺達。
どうやら俺も土方も接客業は初めてらしい。
教育係の店員さんは
「完全初心者ならいきなりは働けないわね」
苦笑して
「取り敢えず今から1時間マニュアル本を見て勉強して?」
1時間後に又来るからと、俺達を会議室に置いて店内に戻った。

「取り敢えず覚えるか」
「だな」
短期といえども、これから此処で働くんだ。
足を引っ張るワケにはいかない。
闘志を燃やしながら本を捲った。

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