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T-T
【Act.T-T バイト@】

「銀時ぃ〜♪」
ムッギュウウウウウウッッ、って痛いわボケぇ。

社長室に入るなり物凄い力で抱き締められた俺。
「約3ヶ月振りだな」
パタパタ見えない尻尾を嬉しそうにスッゴイ勢いで振るコイツの名前は坂田銀八。

若気の至りってヤツで12の時、担任と致してしまって。
その時出来たのが俺。
だからまだ20代だし、父親というより兄貴に近い存在だ。
因みに今居る会社の社長さん。
会社といっても結構小さいから、そんなに偉くない。
まぁ、株式会社だし、株価かぁなり良いし一応順風満帆な感じ?

社長になったのは親の後を継いだから。
でも、元々教師になりたかった銀八。
初恋の相手が担任、つまり俺を産んだ女性だったから感化されたのか?
時々無理言って臨時で塾の講師をしている。
銀八は自他共に認める親バカなのだが、異常な位多忙な為、滅多に俺と逢えない。
だから逢えた時は絶対思いっ切り抱き付かれる。
ベタベタ触ってくるし。ハッキリ言って完全にセクハラだ。
でも俺以外にはヘラヘラせず常に涼しげな雰囲気を醸し出しているから、何故かモテ捲り。
つか、皆さん絶対親バカモード全開の銀八見たら引くって。マジで。

まぁ格好良いから見掛けに騙されるのも分かるけどな。
って、俺はファザコンじゃねぇからな?多分、きっと、うん。

はい、スッゲェ簡単だけど親父の説明は此所まで。
取り敢えず話進めましょ?

あっ、因みに母親は居ない。
生徒に手を出して道を踏み外させたんだ。
解雇され、俺を産んだ後、第二の人生をやり直すとか言ってそのまま渡米した。
逢った事はないが、銀八が1ヶ月に1回俺の成長記録として写真を手紙で送っているらしい。


「なぁ銀八。バイト紹介してくんね?」
可愛く頼むと
「良いよ。でも、その前に………………ソレ、ペット?」
銀八は猫杉を指差した。

「あっ、コイツ高杉晋助って名前で、猫人間なんだぁ」
ニコニコ笑いながら説明する俺。
「因みに銀時の飼い主だ」
って、人の話へし折るなぁ。
ていうか、そんな情報伝えなくて良いんだよバカ。

「飼い主?」
ほら見ろ、銀八メッチャ反応したじゃんか。
「首輪お揃いだな。似合ってる」
ぅっっ、銀八迄似合ってるって。
似合うワケねぇだろ?俺人間だしさ。

「ペットなら銀時は猫かな」
ん?
「高杉くんだっけ?俺の経営している店に猫耳と尻尾売ってるけど、銀時に要る?」
は?
「白か銀色なら要る」
って、はい?
「なら今ちょうど暇だから行くか」
お〜い。何がどうなってんですかぁ?


銀八に手を繋がれ、引き摺られる形で連行される俺。
猫杉も一緒に車に乗せられ
「コレ、マジで似合うな」
沢山の猫グッズをプレゼントされた。

つうか、こんな無駄遣いすんな。
余ってんなら何処かに寄付するか貯金しやがれぇっっっ。




「で、何しに来たんだっけ?今日」
社長室に戻り、ココアを出した銀八。
珈琲よりココアな俺の為、社長室には常時ココアが用意されてある。
って、漸く本題ですか。
なんかもぉ、無駄に疲れましたよ俺。

「あのさぁ、スッゲェ金欠だからさ、バイト紹介して?」
再度銀八に頼んだ。

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あきゅろす。
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