[-V 【Act.[-V お仕置B】 「一緒に帰ろ?」 差し延べた手。 だが 「1人で帰れ」 返されたのは冷たい言葉で、ズキズキ胸が痛んだ。 先程帰った部屋。 誰も居なくて、真っ暗で、異常な位静かで、物凄く寂しかった。 もう二度とあの部屋で1人になりたくない。 「お願いだから、一緒に帰って下さい」 泣きながら頭を下げると 「痛い」 急に傾けられた身体。 先程迄猫杉が寝転んでいたベンチに押し倒された。 ギリギリ両手首を強く握られてスッゴク痛い。 ついでに、ベンチにぶつけてしまった後頭部も。 「銀時。お前の飼い主は誰だ?」 え!? 「誰だって聞いてんだよ」 キツい口調で聞かれ 「晋助?」 小声で答えた。 「ならどうして勝手にアイツに抱かれた?」 抱かれたって、なんでバレてんのぉ? 目をパチクリさせた途端囁かれた低い声。 「鎖骨とかに沢山マーキングされてる。アイツ俺が付けた所にさえ付けやがって。自分のに書き替えたってヤツか?」 マーキングって? えぇっとキスマークの事か? ったく土方のバカ。 何沢山跡付けてんだよ?キレるぞ、マジで。 「ごめんなさい」 此所は取り敢えず謝っておこう。 「謝るなら、二度とアイツに触れさせないって誓え」 猫杉? 「誓えねぇなら、お前とは縁を切る」 嫌だ!!!そんなの嫌っ。 「今から、お前と俺は赤の他人だ」 首輪に触れる猫杉。 嫌だ、外さないで? ソレ外したらお前ドッカ行っちゃうだろ? そんなの嫌だよ。 「嫌。土方にはもう二度と触れないから、だからお願い。1人にしないで?側に居てよ。ずっと、一生隣りに居て?晋助が居ないともう、俺、生きていけないよぉ」 思わず泣きながら正直に気持ちを全て打ち明けた。 って、俺格好悪。何泣いてんだよ? 一生側に居て、とかプロポーズみたいじゃんか? マジで恥ずっ。 ヒックヒック泣きじゃくっていたら、そぉっと拭われた涙。 「銀時」 名前を呼ばれ、見上げると 「スグ戻るからちょっと待ってろ」 猫杉は姿を消した。 って、はぁ!?ちょっと猫杉さん? 何処行ったんですかぁ? 心配でオロオロしたが、スグ戻る言われたから大人しく待った。 約1時間後 「コレ飲んでコレ使え」 悠長に戻って来た猫杉。 不思議な物を俺に手渡した。 何だコレ? 「スッゲェ効く便秘薬とイチジク浣腸」 ちょっと待てぃ。 「何で便秘薬!?俺別に薬飲まなきゃなんねぇ程酷くないぞ?」 もしそうでも2つは要らねぇだろ。 「お前ん中にアイツのが入ったなんて、マジムカつくんだよ。腸内全てソレで洗浄してこい」 ちょ、腸内洗浄!? 「音と臭い嫌だから此所で待っててやっからさ、綺麗にした後キチンとシャワーで全身磨いて来いよ。そしたらもう一度お前に触れてやる」 なんですか、そのスッゲェ偉そうな態度は。 「嫌なら首輪外すぜ?」 先程首輪に異常反応を示した俺。 クッソォ、バカにしやがってぇ。 「分かったよ、綺麗にしてくりゃ良いんだろ?此所で寝ながらゆっくり待ってろ」 バッ、猫杉の手から薬剤を奪い取ると 「絶対待ってろよ」 俺は家に脚を向けた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |