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W-V
【Act.W-V 飼い主B】

ムギュウウゥゥゥゥゥ。猫杉に抱き付く。
帰宅後毎日している事。
所謂日課みたいな物だ。
どうやら猫杉は俺に甘えられると嬉しいらしい。
決して表情や声には出さないのだが。

何故なら猫杉は自分にとって嫌な事は絶対攻撃して迄拒絶するか徹底的に無視するのに、俺が甘えても嫌な顔1つしないからだ。

「可愛いな銀時」いつもならそう言ってくれるのに
「高杉?」
ベリィッッ!!!!!今日はそんな効果音がしそうな位引き離された。

「えっ、何?どうしたんだ?」
初めての拒絶に戸惑う俺。
えぇっと何か怒らせる様な事したっけ?

「なぁ。何で怒ってんだ?」
不安に駆られてそぉっと頬に触れたが
「触んなっっ」
振り払われた手。
ほんっとワケ分かんない。
一体何に怒ってんだよ?猫杉。
泣きそうになって瞳が潤んだ時
「何、坂田。ペットと喧嘩か?」
土方に聞かれた。

………………あっ、すみません。
今、土方貴方の存在思いっ切り忘れていました。

「目ぇ潤んでんじゃん」
って、ちょっ、何?何近付いて来てんの?土方。

ペロリ少し零れた涙を舐め取られ
「んなっ、なっ、な、な、なっ、何すんだよ!?」
思いっ切り吃った。

驚きでパクパク金魚の様に口を動かすと、案の定
「金魚みたいで可愛い」
ニコニコ笑われた。

バ、バカにされた。
スッゲェショック。

悔しくて余計潤む瞳。

「マジ坂田可愛過ぎっっ。俺のにならね?一生可愛がってやるしさ」
クシャリ撫でられた頭。
言ってる事は少し理解不可能でなんかムカつくのに、表情はスッゴク優しくて。
無意識に見詰めてしまった。

「……土方」名前を口にしようとした瞬間
「コイツに触んなっっ!!!」
猫杉が土方から俺を引き離した。

「ペットの分際で口出ししないでくんない?」
って、オイ土方。
分際って少し言い過ぎじゃね?
俺別に差別とかしてないよ?
どちらかと言えば、平等みたいな感じで接してるしさ。
猫杉はペットと言うより、同居人な感じだよ?

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