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T-U
柔らかな風と共になびく綺麗な髪。
可愛らしい顔も、意地悪な顔も、全て、好き。

でも、アイツは年下で、しかも同性。
必死に想いを押し殺していた。

なのに、何故?


「うわっ!!」
な、何〜?
突然抱き寄せられる身体。

「ちょっ、沖田くん待って?ーーーーーーんっ」
重ねられる唇。

何故こんな事になった?


神楽の代わりだと分かってる。
それでも、好き。
優しくされる度にそう告げてしまいそうになる。

「銀時さんのキスは甘いですね?」
耳元で囁かれる声。

「ふぁ・・・ぁんっ」
それだけで出てしまう甘い声。

「お願っ、沖田くん待って・・・」
「待てない」

「ダメだってば」
口では抵抗してても、求めてしまう身体。

これでは拒絶した事にならない。

だって仕方ないじゃないか。
本当はずっと欲しかったんだ。
ずっとずっと、触れて欲しかった。

でも怖くて、嫌われたくなくて。
同性にそんな想いを抱いてる事を気持ち悪がられたらって。

不安で不安で、好きと言えなかった。

『総悟』
心の中で名前を呼ぶ。
『好きだよ、総悟』
想いはいつも口に出さずに消えていく。

「ぁあんっ、・・・やぁ・・・っ」
漏れる甘ったるい声。
「沖田くん、沖田くぅ・・・んっ」
身代わりでも良い。
今だけは俺を見て?

「銀時さんスッゲェ可愛い」
名前を呼んで?

「もっと溺れてよ?」
愛されてるって錯覚させて?

好きだよ、総悟。
泣いちゃいそうになる位、好き。

「んぁっ、ぁん。沖田く・ん。ぁっ、良い」
いつも、身体は満たされるのに
『苦しいよ総悟』
心は涙を流す。

どうしたら貴方は、俺を愛してくれますか?



毎日抱かれる身体。
毎日触れ合う唇。

優しいキスも、優しい愛撫も、全て、神楽の代わり。

最初から分かっている事なのに
『俺を見て?』
想いはとどまる事を知らない。

日に日に深くなって行く想い。

このままじゃ、溢れてしまいそうだ。




1ヶ月後、
「銀ちゃん明日沖田とデートしてくる」
神楽が俺に言った。

神楽と沖田くんの仲は清いままだ。

最初の約束通り、沖田くんは神楽に手を出していない。
その代わり溜まった時は俺を抱く。

「神楽ぁ、迎えに来てやったぜぃ」
沖田くんに甘やかされている神楽。
学校の送り迎えも毎日して貰っている。
神楽も満更ではない様だ。

当たり前だ。こんなに良い男に好かれて、嫌って思うワケがない。

多分いつか、神楽も沖田くんを好きになる。
そしたら俺は?
俺はどうしたら良いんだ?

沖田くんを忘れられるのか?

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あきゅろす。
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