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《Act.5》

【四月一日】


「俺好きな奴出来たからさ、別れろや」
万事屋に来るなり、冷たく言い放った土方。

「今何て言った?」
笑顔で聞く銀時。
ヒクヒク顔が引きつっている。

「だからさ、別れてよ?」
もう一度そのセリフを聞いた銀時は
『今、何て言いやがった?』
バキィィィィィィィィッ。
思いっ切り木刀で土方を撃った。

激しく飛ばされる土方。
壁に背中をぶつけた。

「ちょっ、ちょっと待てっっ!!」
「ん?何?言い訳?」
笑顔だが、スッゴク怖い。

「あのさ、今日エイプリルフール」
そう言われて、チラリ、カレンダーを見た銀時。

「あっ、本当だ。なぁ〜んだ、嘘か。良かったぁ」
とか可愛く言う銀時。
だが、明らかにお怒りモードだ。

「ならお返ししなきゃね?」
可愛らしく言われたが
『嫌、さっき充分過ぎる位されたからっ。背中痛いからっ』
土方はビクビクしていた。

「俺さぁ、マヨ大っ嫌いなんだよね」

『えっ?』

「だからさ、勿論マヨ命な奴もスッゲェ嫌い」
極上の笑顔で言い放った銀時。

『うっ』
言葉に詰まる土方。

「銀時の、銀時のバカヤロォー―」

「俺だって大っ嫌いだぁ―――ッ!!」

「でも大好きだぁ――――っ!!」

泣きながら去って行く土方。

「あの・・・・・・嘘なんですが?」

ポカーン。

万事屋に、びっくりした顔の銀時が残された。

「あ〜あぁ、苛め過ぎたか?」
ガシガシ髪を掻くと
「仕方ないからマヨ持って、行ってやるか」
コンビニへ足を向けた。


『バカな奴程可愛いって本当だな』
楽しそうに笑うと
『安心しろ、土方。嫌いになんて、一生ならねぇよ』
マヨネーズをカゴに入れた。

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