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放課後
「帰るぞ銀時」
「え!?」
突然声を掛けたせいで、銀時が驚いた。

あの告白の後苛ついて無視していたからか
「もう怒ってないの?」
恐る恐る聞かれた。

コイツ何で俺が怒ったか聞かねぇのか?

「スッゲェムカついてるけど?」
睨み付けると
「え・ぇっと。何で?」
遠慮がちに聞かれた。

「お前が可愛いからムカつくんだよ」

「朝から晩迄1日中お前の事ばかり考えちまうから」

「お前にしか反応しねぇから」

「だから嫌いなんだよ」

一気に本音を言うと、キョトンって顔をされた。

なんだ?俺何か変な事言ったか?


「良かったぁ。俺そんなに嫌われてないじゃん」
笑顔で言われ、はぁ?って顔をした。

お前何言ってんだよ?
俺今お前の事嫌いだって言ったんだぞ?

「大好きだよ土方」
笑顔で言われ
「俺は大っ嫌いだ」
キツく言ったが、チュッ、可愛い音が耳に入った。
コレってキスだよな。
って、此所教室だぞ?
「良いよ、嫌いでも」
え?
「でも・・・たまには好きだって言ってね?嘘でも良いから」
甘い甘い声を吐息と共に囁かれ
「仕方ねぇな。1回しか言わないからキチンと聞いとけよ?」
甘い香りのする耳元で
「好きだ」
甘い甘い嘘を囁いた。

その途端、ポロポロ涙を零しながら嬉しそうに微笑む銀時。

チクショウ。
なんて可愛いんだ?
ったく、ほんっとしょうがねぇな。

銀時
お前が喜ぶなら
たまには酔わせてやるよ。

不本意だが
お前の大好きなトシの笑顔で
『愛してる』って
極上の甘い蜜を舐めさせてやる。

だから
「俺から離れるなよ?」
囁くとグイッ、銀時を強く抱き寄せ唇を重ねた。


周囲からザワザワ騒音が聞こえたが、気にしねぇ。
俺が欲しいのはコイツだけ。
だから、もう迷わねぇよ。
絡ませ合う舌のせいで聞こえる水音。
薄く瞼を開け、チラリ覗き見た顔。
キスに酔ってるのか赤く染まっていた。
キュッ、必死にしがみつく身体。
なんか可愛いな。
尚且つなんかエロい。

俺迄酔いそうだ。

夢中で唇を奪っていると
「大好き」
キスの合間、物凄く可愛らしい声が耳に届いた。

俺も多分、好き・だ。

今はまだ確証は持てないが、直に分かる時がくる。
それ迄もう少し待ってくれ。

自分の気持ちに整理がついたら絶対言うからさ。
好きだって
愛してるって
本気で言ってやる。

だから気長に待っててくれ。

「ねぇ、もっと聞かせて?」
ねだる声に
「愛してるよ」
優しく答えた。

今はまだ嘘に過ぎないセリフ。
だが、絶対に真実に変わる。

「待ってろよ?」
囁くと
「ぇ?ぁっ、うん」
ワケが分からないって顔で銀時は頷いた。

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