[携帯モード] [URL送信]
W-U
「土方!?」
殆ど無意識に奪ってしまった唇。
腔内に広がる甘い甘い味。

何でコイツはこんなに甘いんだ?

驚かれて慌てて離れると
「・嫌ぁ・・っ。止め・ない・で・・・・」
消え入りそうな声がした。
『え?』
キュゥッっと皺が出来そうな位掴まれる服。
カタカタ震える身体。
「お願・い・・も・う・拒まな・いで・・・っ」
綺麗な涙が光る。

ああ、なんて可愛いんだ。

「も・う嫌わな・いで?・好・きだから・・・」
初めて触れる筈なのに、何故か身体が覚えていた。
どうされたら銀時が喜ぶか
どうされたら銀時が恥じらうか
全て分かる。

何故だ?
そういえば銀時、トシに抱かれたって言わなかったか?
ソレってどういう事だ?
記憶がない間俺は、コイツを抱いたのか?

再び唇を重ねると
「ぁっ、・・んっ。ト・シ・好きぃ・・・・っ」
甘ったるい声がし興奮したが、ソレ以上に・嫉妬した。
「その名前で呼ぶなっ」
コイツは俺だけど、俺じゃねぇ奴を求めてる。
けどもうソイツは居ねぇ。
「俺はお前の好きなトシじゃねぇよ」
キツい口調で言うと、苦しげな表情が見えた。
「ごめ・んなさい・・・っ。でも・好・きなんだ。トシが好き・な・の」
泣き崩れる銀時。

ああ、なんて事。
どうして俺が俺に嫉妬しなきゃならない?
なんかスッゲェ悔しい。
どうして覚えてねぇんだよ。
こんなに迄愛されたクセにどうして。
どうして消えたんだよ?
頼むから思い出させてくれ。
ソレが無理ならせめて
銀時
もうソイツの事は綺麗サッパリ忘れてくれ。



「やぁっ、トシじゃなきゃ嫌ぁ!!」

「トシぃ・・・ト・シ・っ、助けてっっ!!」

何で抵抗すんだよ?
何でその名前を呼ぶ?

ムカつく。
スッゲェムカつく。

嫉妬で気が狂いそうだ。

お前の心に誰かが入り込むのが嫌で
好意を寄せる全ての奴から
必死にお前を遠ざけた。

誰も好きになって欲しくなくて
誰にも触れて欲しくなくて
いっその事何処か俺しか知らない所に監禁して
独占してしまいたい、とさえも感じた。
この感情は一体何なんだ?
分からない。
好きって事なのか?
俺は自分で自分の気持ちが分からない。
けれど、この気持ちが
俺を、狂わせる。

[*前へ][次へ#]

10/14ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!