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W-T
【Act.4】


「いい加減機嫌直せよ」
昼休み。
最強ご機嫌斜めな俺。
無理もない。
あの後気が付くと、昼休みだったからだ。

「ケーキ食べてない」
スッゲェ楽しみにしてたのにさ?ムカつく。

「いや、銀時。アレは食べなくて正解だったぞ」
真っ青な顔の土方。

オイ、どうした?

「マサカ失敗した?」
恐る恐る聞くと
「死ぬかと思った」
ボソリ、晋助の声が聞こえた。

調理実習で完成させた料理は、失敗成功関係なしに全て食べさせられる。
だから失敗した時はマジで地獄だ。

人数不足で教室に入れて貰った桂と晋助と土方。
この3人って誰1人料理得意じゃないよな?

って事は大失敗?

顔色が悪過ぎる3人を見れば一目瞭然。

オイオイ。
俺と沖田くんが抜けただけでこの大惨事かよ?
しっかりしろよもぉ。


今俺は、屋上でパンを食べている。
気が付くと最近、土方・晋助・桂・沖田くんの5人で行動している。
グループ分けの時も大抵この組合せだ。

土方の側に居られるのは嬉しいが、毎回毎回土方以外に絡まれる。
ソレも異常な位頻繁過ぎるから質が悪い。

慣らされ過ぎた身体は、敏感になり過ぎて無抵抗になってしまう。

つか、コイツら巧過ぎ。
本当に同じ年か?

「ココ付いてやす」
ペロリ唇の端に甘い痺れが走り
「ちょっ!?」
汚れを舌で舐め取られた事が分かった。

「バカ。人前ですんな」
ジロリ睨み付けると、ビシィッッ!!!ソレ以上にキツい目線が沖田くんに集まった。

その後勝手に対抗心を燃やした桂と晋助に迫られ
「沖田くんのバカ―――ぁっ!!」
喧嘩した。




「有り得ない」
ポツリ零れる独り言。
ソレもその筈。
今居る場所は化学室。
にも関わらず、自習だからだ。

実験開始直前気分の悪くなった先生。
『お〜い大丈夫ですかぁ?』
保健室に行ってしまった。

『つか何したら良いんだ?』
する事もなくポヤァーン、窓の外を見ていると
「銀時」
ワラワラ集まる人だかり。
暇だから楽しく話していたが
「銀時さん」
先程の件で怒っている俺は、沖田くんを無視した。
名前を呼ばれても無視し続ける俺。
『沖田くんなんて知らないもん』
プイッ、完全シカトを決め、桂達との会話に華を咲かせまくった。
だが、ソレがいけなかった。

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