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T-T
第四部【大好き】

[1ヵ月後、俺か土方か選べ]
そう言われて始まった不思議な関係。
名残惜しくも手放した土方が、再び自分の恋人になってくれた。
複雑な気持ちだったが、凄く、嬉しかった。

晋助の事は大好きだ。
でも、同じ位、土方が、好き。
日に日に深まる愛情。
好きで好きで堪らない。
2人共大事。
2人共愛してる。
でも月日が流れるのは早い物で
『あと少しか』
もうすぐ約束の日。
あと僅かで俺は、ドチラかを選ばなくてはならない。



《Act.1》

「おい銀時。起きてるか?」
ぼぉぉぉ〜、考え事をしていた俺。
「銀時」
「うっわぁ!?」
突然目の前に桂の顔が現れ、物凄く驚いた。
「どうした?欲求不満か?それなら俺がその」
ん?なんだ?
「ぼ、ぼ、ぼ、ボランティアで、だ、だ、だ、だ、抱い、ゴホッ、ゴホゴホ、抱いてやっても構わないぞ?」
おいヅラ、吃り過ぎ。
ていうか、今の何言ったか全然分からなかったぞ?
だがなんか嫌な予感したから
「ありがとなヅラ。でも遠慮しとく」
軽く躱した。

よく分からんが、ヅラなりに心配してくれたのだろう。
嬉しくて、ふわり微笑んだ。

「銀時は可愛「行け、定春っ!!!」ぇ!?ぅおっ???」
何故か桂に抱き締められかけた途端、遮られた桂のセリフ。
パクリ、変な音。

『ん!?なんだコレ』
目の前に見えるは白くてふわふわした毛。
動物か?
にしてもなんかデカくね?

ゆっくり目線を上に上げると
「デカッッ!?」
物凄く大きな犬が居た。

「戻っておいで?定春」
ん?コレ神楽の声じゃね?
「ワンッ」
って、おい。まさか。
「よしよし定春。お前お利口アルな。ちゃんと死なない程度に敵をやっつけれるなんて」
えっと、ヅラって敵なのか?
どうやら赤い顔で俺に近付く桂を敵と見なして、この犬にパクリ甘噛みさせたらしい。

ていうか、ソレ何?
何犬?
スッゴイ大きいんですけどぉ?

「ねぇ神楽ちゃん。定春って何?まさかその謎の生命体の名前じゃあないよな?まさかソレ、飼おうとか思ってないよね?」
流れる冷や汗。

白くてふわふわで綺麗な毛並み。
可愛らしい顔。
犬は嫌いじゃない。
仕付ければ優秀な番犬にもなるし、家族の一員にもなれるからだ。
でもこれは有り得ないでしょ。
人間の大人よりも大きな身体。
こんなに大きな犬、見た事も聞いた事もない。

「銀ちゃん今日から定春我が家の一員ね」
えっ、決定してんの?それ。
あの、餌代はどうすんでしょう?
「だからバイト増やせアル」
は!?
ちょっ、ちょっ、それって餌代の為に働けって事かぁ???
「大丈夫。新八と銀ちゃん2人が必死こいて働けば家族増えても余裕アル♪」
神楽ちゃん、あくまで自分は働かないんだね。

「ダメだ。絶対無理」そう言い掛けた瞬間
『ぅっ!!!』
目に入った犬らしき謎の生命体。
可愛らしい顔で見詰められ
「わ、分かったよ。その代わり世話、きちんとするんだぞ?」
渋々承諾してしまった。

あ〜あぁ。俺、神楽に甘過ぎじゃね?

「ワンッ♪」
定春に飛び付かれ
「ぅわぁああっっ」
叫んでしまった俺。
戯れてるつもりらしいが、コッチは大変だ。
子犬になら戯れられても平気だが、大型犬は無理。
いや、最早コレ大型犬の域越えてるし。

「ちょっ、重いって。神楽コレ退けて〜っっ」
「おっ、銀ちゃん。もう仲良くなったアル♪」
えっ、そ、そうなのか?
じゃなくて、助けろって〜っ!!!

「ぅっぎゃあ゛あああ゛あ゛ぁあぁぁ」
上機嫌?に飛び乗られ
『やっぱ無理かも』
半泣きになった俺。

『飼って良いなんて言うんじゃなかった』
自分の発言に、激しく後悔した。

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あきゅろす。
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