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U-V
《Act.2-3》

バキィィ――――ッッ!!
「痛ぁ――――っっ!!」
媚薬が漸く落ち着き平常心に戻った銀時は、思いっ切り土方に拳を振った。

「何すんだよっ!!」
真っ赤になった頬を押さえながら言い返すと
「さっきの仕返し」
ギロリ殺気立った眼で睨まれ
「・・・・銀・時っ」
土方は蛇に睨まれた蛙状態になった。

「今回は本気で怒ったからな!!お前が反省する迄口聞いてやんねぇ」
プイッ。目線を逸らすと、無理矢理土方を外に放り投げた。


どうせ今回も銀時の方から会いに来てくれる。
余裕で仕事をしていた土方だったが、3日経っても来ない銀時に焦り始めた。

『会いに行こうかな?でもアイツスッゲェ遠慮なしに殴ったしな』
変なプライドが邪魔をしてなかなか会いに行けない。


それから3日後。

「土方さんどうしたんですか?」
部下に心配される位、ソワソワし始めた。

『もうすぐ1週間だぞ?ソロソロ会いに来いよ』
無性に銀時に会いたくて堪らなくなり、ついに
「ちょっと万事屋に行ってくる」
職場放棄してしまった。

「土方さん!?」
驚きの声がしたが知るか、んなもん。
今は銀時の方が優先なんだよ。
勝手に決め付けると、ピンポーン。呼び鈴を鳴らした。


5分経過。

仕方なしにドアに手を掛けるとガラリ、鍵が掛かっていなかった為簡単に中に入れた。

「銀時?」
ゆっくり名前を呼びながら寝室に入ると聞こえてきた可愛い寝息。

『くぅくぅとか、何その寝息。ヤバっ!マジ可愛過ぎだから』
ゆっくり顔を覗き込むと無意識に又、薬を飲ませていた。

今度は猫化する薬。

『ヤバぁっっ!!』
覆水盆に返らず。
無意識にしてしまった行動に焦りを感じたが、
ニョキニョキ生え始めた耳と尻尾に
『今度は尻尾で苛めるのも楽しそうだな』
ニヤリ黒い笑みを浮かべた。



「んにゃぁ〜んっ」
伸びをしながら無意識に発せられる声。
眠そうな目をゴシゴシ擦る姿は、猫が顔を洗っている仕草そのもの。

「あれ?土方?」
寝起きの銀時はニャァ、軽く鳴きながら土方に擦り寄った。
まだ覚醒していない。

チュゥッ。何度もキスをされ銀時は
「土方ぁ・・・」
甘ったるい声を発しながら、自ら唇を重ねた。

調子に乗って舌を絡めた瞬間
「土方ぁ!?」
銀時が覚醒した。

「お前何してんだよ?」
まだ怒ってるのか銀時はキツい声を出したが
「どうしてもっと早く会いに来なかったんだよっ!!」
土方の耳に入ったのは想像もしていなかったセリフだった。

「ごめん」
土方が素直に謝ると
「会いたかったんだからな」
銀時がムスゥっと可愛い拗ねた表情をした。
「土方」
名前を呼び、土方に抱き付こうと腕を伸ばした時だった。

「ん?何コレ!?」
銀時の視界に入ったふわふわな手。
「ごめん銀時。又やっちゃった」
そのセリフに慌てて鏡に走る銀時。

フルフル鏡の前で震えると
「前言撤回っ!!もう二度と会いに来んなぁっ」
大声で叫んだ。

が結局、媚薬のせいで抱かれる羽目になった。



翌日。
顔に猫の引っ掻き傷を付けた土方が、ニヤニヤ思い出し笑いをしながら仕事をする姿を見て
「死ね土方」
沖田がバズーカを放ったのは、言う迄もない。






【後書き】

土方ヘタレver.書いてて楽しいです。
銀さんが好き過ぎて頭が上がらず尻に敷かれるのってなんか良いです。

可愛い銀さん大好きだけど、ちょっと強めな銀さんも大好きです。

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