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T-T
《Act.1-1》

【ポッキー3】


ピンポーン。
玄関の呼び鈴を鳴らす。

「開いてますよぉ」
中から気怠げな声がし、土方は足を踏み入れた。

「あれぇ?多串くんじゃん。どうしたの?」
寝そべりジャンプを読んでいる家主。

「お前さぁ、不用心だぞ。俺だったから良い物の悪い奴だったらどうすんだ?」
余りに警戒心のなさ過ぎる銀時に、土方はキレた。

「そん時は警察が何とかしてくれんでしょ?ね、土方くん?」
笑顔で言われ
「まぁな」
照れながら頭を掻く姿には、鬼の副長の威厳が全く感じられない。

相変わらず銀時の前ではヘタレてしまう土方。
惚れた弱みか?

「なぁ、多串くん11111で何が思い浮かぶ?」
「はぁ?突然何?つか、どうして又多串?」
『さっき土方って呼んでくれたのにさ』
小さく愚痴る。

「ん〜?呼びやすいからかなぁ?」
サラリ笑顔で放たれ
「土方の方が呼びやすい思うが・・・いや、もう良いです」
ちょっぴりいじけた。




「11111って言ったらポッキーと犬だろ」

「はぁぁ?ポッキー前やったろ?それに犬ってベタ過ぎ」
思いっ切り引きつる顔。

「いやコレ、ベタなコーナーだから」
クシャクシャ髪を触ると
「仕方ないなぁ。ならサッサと始めんぞ?」
銀時の合図で、ベタな行為は幕を開けた。




「って、何ソレ?」
ポッキーの箱を取り出す土方。

「ん?両端から食べてそのままディープキスとか?」
嬉しそうな顔。

「いや、しないし。あ〜あぁ、こんなんなるんだったら、この前もっと強く噛んどくんだった」
ボソボソ愚痴る銀時。

「!?はぁ〜?お前アレワザとだったのか?」

「・・・・・・さぁ?何の事でしょう?」
シレッと顔を背ける銀時。

「お前さぁ。あの後俺1日中痛かったんだぞ?」
唇を擦りながら呟く土方。

「ん〜?だから何の事〜?」
あくまでシラを切る銀時。

「誤魔化すなぁ〜っっ」
『あっ、なんか涙目だし』

「あ〜もう悪かったよ。お詫びに付き合ってやるからさ機嫌直せよ」
笑顔で言われ、何も言えなくなってしまった土方。

『付き合ってくれるんならアレするか』
ニヤリ微かに口角を上げた。




「何コレ?」
目の前に広がるは大量のチョコとチョコレートフォンデュの機械。

「ポッキーだと又痛い思いしそうだからさ」
『だから何?』
嫌な予感に引きつる銀時。

「お前にチョコ付けて食べようかなぁって」
『なんか語尾にハートマーク付きそうだったよ今』

「絶対嫌っっ!!!!」
銀時は声を張り上げた。

が、
「今さっき付き合う言ったよな?」
押しの強い声とご機嫌な笑顔で言われ
「分かったよ。勝手にすればぁ?」
銀時は膨れた。




「ちょっ、コレ最悪」
全身にチョコを塗りたくられ、不快な表情をする銀時。

「つか、コレの何処がポッキーなんだよ?」
ベタベタして気持ち悪い。

「顔に塗ってないだろ?」
笑顔でサラリ言われ
「俺の顔はポッキーの持ち手かよっっ」
速攻銀時は突っ込みを入れた。


「チョコ沢山あるし楽しみだな」
最強に嬉しそうな土方に対し
「お前がな」
銀時は溜め息を吐いた。

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あきゅろす。
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