歯Ⅱ-Ⅰ
【歯Ⅱ】
※桂銀
『お前コレ虫歯じゃね？』
昨日土方に言われ渋々出向いた歯医者
病院行く時って少し憂鬱にならね？
軽く溜め息を洩らしながら足を進めた
ガァ――――、開く自動ドア
瞬間クルリ踵を返し掛けた
受け付けに居る白い物体
何故だ？
何故エリザベス居るんだよ
受け付けのバイトか？
恐る恐る足を踏み入れ受け付けを済ませた
ダラダラ冷や汗が出るのは何故だ？
「坂田さんどうぞ」
名前を呼ばれ嫌な予感がした
って、子供かよ俺は
「坂田さん？」
再び名前を呼ばれ腰を上げた
「コチラにどうぞ」
声に従い座る椅子
久し振りだな歯医者って
ドキドキする
って、あれ？
なんか待ち時間長くね？
後から来た患者の方が先して貰ってるし
なんかもめてる声聞こえるし
何故？
待ちくたびれ欠伸をしていると
「待たせたな銀時」
耳元で見知った声を囁かれ目を見開いた
おい目の錯覚か？
「なんでお前居るんだよ？」
白衣を着た桂が居た
なんかスッゲェ嫌な予感するんだけど
気のせいだよな？
「診察するぞ」
桂の声
一瞬で真っ青になる顔
今コイツ何て言ったぁ？
「お前免許とか持ってんのか？」
持ってなさそう
「俺が持ってるワケなかろう？」
聞いた俺がバカでした
「担当代えてくんね？」
引きつりながら頼んだ
コイツにして貰ったらスッゲェ危険だよ
「無理だ」
は？
「初心者にやらせるんかよこの歯医者は？」
キッ、軽く睨むと
「此所さっき俺が占領したから」
ニッコリ笑われ
歯医者選び失敗したぁ～っっ!!
奈落の底に突き落とされた
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