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『隣』
2-2
「琉翔?」
不思議そうに赤くなった頬を見る奏。
ちょっ、近い。近いって、バ奏。

然り気無くタオルで隠そうと試みたが、銭湯に来たり、最初っから誰かと入っていたワケではない為、隠すタオルなんて浴室に持ってきてない。

「か、身体洗うから」
慌ててボディタオルに石鹸を付けて泡立てた。

その後は敢えて奏の裸体を出来るだけ見ない様に頑張って髪も含めて全身を洗い、浴槽に浸かった。

ふぁ〜。生き返るぅ。
ゆっくり足を伸ばし、寛いでいたら
「!?!??」
奏が俺の足の間に座った。

「温か〜い」
ちょっ、何ほくほくと嬉しそうに入ってきてんだよ?
一緒に入るったって、一緒に浴槽に入らなくても良くね?
それも何故この体勢?

俺の胸元に頭と背中を預けてゆっくり浴槽で足を伸ばす奏。
いや、ね、まぁ、コレ小さな子供と親なら有りだけど、男同士じゃキツくね?
いや、そうじゃない。
普通は別に其処までおかしくはないんだ。
男同士なんだから、別に恥ずかしくはない。
俺がヤマシイ気持ちを持っているからおかしく感じるんだ。
我慢だ、俺。
平常心、平常心。
必死に精神と肉体を落ち着かせているのに
「ねぇ、琉翔」
ちょっ、奏。
動かないでくれないか?
奏が動くと俺の俺が奏の可愛いお尻に刺激されて反応しちゃうんだよ。
頼むから分かってくれ。

「なんだか久しぶりだよな、一緒に入るの」
そりゃあ、好きって自覚してからは入れないでしょ、色々支障出るから。
でも言えるワケない。
「だな」
普通に受け答えする事にした。

「やっぱ野球してるからかなぁ?引き締まったよね?」
上向きに顔を上げながら俺を見上げんな。
上目遣い可愛いんじゃボケェ。
って、誰キャラだ?俺。
軽く身体を捩って俺の胸元に掌を置いた奏。
「俺と全然違うね。なんか置いてかれた感半端ない」
羨ましそうに俺の腹筋に掌を滑らせた。

うん、ヤバい。
このままじゃ折角隠したのにバレてしまう。
だって腹筋のすぐ下アレじゃん。
下半身じゃん。
腹筋見てるって事はもう少し下に目線落としたら見えちゃうワケで。

「そういえば奏、今日の体育どうだった?奏の嫌いな持久走だったよな?」
目線を上に向かせる為、無理矢理話題を変えた。

「あ〜もぉ、最悪だったよ今日は特に」
「なんかあった?」
「ん?給食の後だったからさぁ、走ってたらチャポチャポ胃の中に溜まってるお茶とかの音するし、食べ過ぎたから身体重いしでさ。前回より明らかタイム落ちた」
「どんまい」

よし、なんとか誤魔化せた。
話題を変えた事により、俺のも少し落ち着いたし、このまま浴槽から出て服さえ着てしまえばいつも通りだ。
安心したのも束の間
「ねぇ、今度からさぁ部活も何もない日で良いからさ、俺と走ってくんね?体力付けたいしさ。ダメ、かな?」
再び来た上目遣い。
「って、休みの日迄運動とかダルいよな?ごめん」
「いや、奏の頼みなら喜んでするよ」
「マジで?ヤッタァ。ありがとう」
物凄く嬉しそうに微笑まれ
「…………っつ!!!」
ズッキューン!!!!何もかも射抜かれた。

ヤバい、笑顔可愛すぎる。
もう完全勃った。
ガチガチに完勃してしまった為
「ん?」
お尻に違和感を感じた奏。
そりゃあ違和感あるよなぁ。
突然何か固い物が当たったんだから。

「琉翔?」
嗚呼、もう誤魔化せない。
「ごめん奏」
謝ると
「え?」
チュッ。そのまま奏の唇を奪った。

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