『隣』
7.奏SIDE【選択ページ】
ヤバイ。
全然記憶がない。
お風呂場で阿波路に抱かれていたのは覚えてる。
でも途中から意識がおかしくなって、それから気が付いたら朝になっていた。
ていうか、いつの間に俺布団に居るんだ?
ふかふかのベッドの上で、ふわふわの布団に包まれている俺。
ゴツゴツしていないけれど逞しくて綺麗な腕に枕をされて、横向きで寝ていた。
目線の先に在るのは物凄く綺麗な寝顔。
俺、阿波路に腕枕されて寝てたんだ。
幸せ感に浸りながら、そのまま阿波路に抱き付いた。
ていうか、全身綺麗だ。良い匂いするし、コレ入浴剤の香りかな?
布団も良い匂いする。
阿波路からいつもする良い匂いが自分からもする。
なんかコレ嬉しいけど、恥ずかしいかも。
運良く今日は土曜日の為、学校は休みだ。
なんか全身怠いし、力入らないから今日休みで良かった。
そっと、阿波路の髪に指先で触れる。
サラサラ音がしそう。
阿波路は全てが綺麗だ。
綺麗過ぎて人形みたいに見える時さえある。
この綺麗な身体に抱かれてるんだ、俺。
なんか申し訳ない気もするが、嬉しい。
艶を帯びた甘い声も、優しい表情も全て、俺だけの物だったら良いのに。
俺だけを見てて欲しい。
誰の物にもなって欲しくない。
俺だけを見て、俺の事だけを考えて、って、ダメだ。
もう、誤魔化せない。
俺は、阿波路が、阿波路が好き、なんだ。
唇を重ねると
「深月。好きだよ。大好き」
寝ている阿波路に想いを告げ、服を着て部屋を出た。
向かう先は自宅。
鞄を起き、今日の分の自学を終わらせると帝に電話して、帝の家に向かった。
もう自分の気持ちに嘘は付けない。
気付いてしまったんだ。
帝への気持ちは恋じゃないって。
尊敬と憧れ。
一緒に居てドキドキしたり幸せを感じても、性的な気持ちにはなれなかった。
それはファン心理と一緒。
芸能人や好きなアニメやマンガのキャラって好きになっても、恋愛対象には見れない。
大好きな芸能人に逢って握手しても嬉しいけれど、その後キスしたいとか思わない。
俺の帝に対する想いはソレと似ているんだ。
こんな想いのまま付き合い続けるのは帝に悪い。
俺は帝に別れを告げる為、今から帝に逢う。
あと少しで辿り着く。
だが、歩みはゆっくりになってしまった。
このまま進むべきか、止めるか、俺は悩みだした。
数分悩んだ末、俺は。
【選択肢】
1. 阿波路の家に引き返した。
2. そのまま帝の家に向かった。
※ ドチラに進むか選んで下さいませ。
それによって、話が変わります。
※神凪ルート書き終わりました。
阿波路ルートは只今執筆中です。
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