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『隣』
5.
少しずつ部活にも慣れ始めた頃、大っ嫌いなあの季節がやってきました。
そう、それは運動会。
運動が苦手な人間にとってソレは、恥を晒す舞台。

リレーで一番最後になったり、転んだりした時のあの温かな眼差しと拍手。
アレ一体なんなの?
団体競技で足を引っ張った時の責任感と罪悪感。
重過ぎますから。

運動神経の良い奴等は格好良いと憧れ持て囃されて、後日可愛い女の子に告白されたりもする。

弱者と勝者の差パネェよ、マジ。

運動会の日、雨降らないかな。
って、次の日に延期されるだけか。
嗚呼、マジで憂鬱。

暗くなっているとヨシヨシ撫でられた頭。
ふわり微笑まれてキュンッってした。

って、ちょっと待て俺。
何阿波路にキュンキュンしてんだよ?落ち着けぇ。

そういえば、神凪君に一目惚れしてからずっと琉翔とも阿波路ともしてない。
久しぶりにキスされたい…………って、違うだろ俺。
ほんっと落ち着けよ。

悟られたらしく
「久しぶりにする?」
クスリ笑いながら小さく耳打ちされた。
「…………っ」
不意討ち止めて?

「奏」
甘く名前を呼ばれ
「阿波路は意地悪だ」
完勃ちした。

「奏?」
その様子を琉翔に見られ
「どうした?」
不思議そうに聞かれ
「なんでもない」
慌てて誤魔化したが、やはり久々に聞いた悩殺イケボはヤバかったらしい。
全く鎮まらない。

「ごめん、ちょっと職員室行ってくる。悪いけど阿波路着いてきて?」
教室を抜け出した。




時間帯的に誰も居ない部室に阿波路を連れ込み
「んっ」
唇を合わせた。
久々に感じる熱は異常な位甘くて
「阿波路、ちょうだい?」
俺の脳を破壊した。

ジュプジュプと口に頬張りながら、阿波路の先走りを味わう。
久々に広がる忘れ掛けていた不思議な味。

右手で自分の胸を、左手で後ろを弄る。

嗚呼、欲しくて堪らない。

荒くなる阿波路の呼吸を聞きながら、俺はより喉奥迄阿波路を誘い込む。
切ない声と同時に吐き出された白濁。
溢さない様ゆっくり飲み干した。

決して美味しくはないが、何故だろう?阿波路のは不味くない。
以前比べる為自分の液体を舐めてみたが、不味くて速攻吐き出した。

阿波路のは麻薬。
一度飲んだらもう、抱いて欲しくて堪らなくなる。

「阿波路。此処、触って?」
久々だし、学校だから抱かれる準備等していない。
阿波路を汚さない為、阿波路の指にゴムを着けた。

因みにゴムは先輩のを勝手に拝借した。
部室のロッカーに大量に隠してるのを知っていたからだ。

ゴムを装着させた阿波路の指を舐めると
「も、我慢出来ない」
泣きながら懇願した。

「っ!!」
ビクビクンッ!
指を挿れられただけで真っ白になった頭の中。

「凄いね」
俺は一瞬で逝ってしまった。
キュンキュン欲しがる様に阿波路の指を奥へ奥へと締め付けながら飲み込む。
ゴムのせいでバラバラな動きは出来ないが、俺よりも俺の身体を知り尽くした阿波路によって、一瞬で感じる場所を見付けられ、ソコを刺激された。

久々の快楽は凄まじく、開始早々胎内が阿波路を欲して収縮を繰り返し始めた。

「時間ないし止める?」
チラリ阿波路が時計を見る。

嫌だ、無理。
此処で止められたらおかしくなる。

「ヤダ、阿波路。抱いて?阿波路が欲しいよ」
新たなゴムを取り出すと
「お願い」
俺は阿波路にねだった。


「ぁん、ひゃあ、ぁ、ぁ、あっ、ひぁああん」
正常位で、甘える様全身で抱き付きながら
「阿波路、阿波路。気持ち良…いっ。あっ、ソコ、もっと。もっと突いてぇ…………っ」
俺は阿波路に抱かれた。

前立腺も奥も入り口付近も、全てが気持ち良い。
頭の先から爪先迄快楽に囚われて、甘くて何も考えられない。
視界も中も阿波路で埋め尽くされて、阿波路しか見えなくなる。

…………好き。

そう口走りそうになって、え?頭の中がフリーズした。

嘘。

待って。俺が好きなのは神凪君で、阿波路は親友だ。
だからこの好きは行き過ぎた友情だ。
恋なんかじゃない。
そうグルグル考えてたのに
「んああああんっ」
前立腺を押し潰す様に抉られて、脳内が真っ白になった。




「えっと、ごめん」
数え切れない位貪欲にねだった俺のせいで、授業をサボってしまった俺達。
自分と阿波路に着けたせいで大量に消費してしまったゴム。

ヤバい、何枚使ったんだよ?俺。
1枚位ならバレないが、これだけ使ったら流石にバレる。
ゴムは同じのを阿波路が買ってくれると言ったから大丈夫だが、阿波路をサボらせてしまった。
阿波路俺と違って優秀なのに。

「ごめん。ごめんなさい」
罪悪感でポロポロ涙が溢れる。
俺が自分を制御出来なかったせいで阿波路に迄迷惑掛けた。
俺、最低だ。

止まらない涙と後悔。
謝り続ける俺を
「なんで謝るの?俺は奏が抱けて幸せだったよ?」
阿波路は優しく微笑み、抱き締めてくれた。

ヤバい、マジ惚れそう。

ドキドキキュンキュンしてたら授業の終わるチャイムが鳴った。
流石に連続でサボるのはダメだろう。

「戻ろうか?」
阿波路に促され、教室に戻った。

因みに使用した大量のゴムとティッシュはビニールに入れて、鞄の奥底に隠した。


その後、二人でサボった俺達に二人だけズルいって琉翔が拗ねた。
なんか、ごめんね?琉翔。
今度サボる時は絶対に誘うよ。
って、サボっちゃダメか。

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