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『ガラクタ』
Go Go!!変身
「で、式なんだが、ハワイとかどうだ?それとも新婚旅行も兼ねて、フランスとかイギリスとか、あっ、アメリカも良いな」


「なぁ、まちゅ。俺眠くなったから、帰って良い?」
「にゃら、にゃにかたべるのかってかえるっちゅぅ♪」
「そうだな。何が良い?」


「ドレスはベーシックに白で良いよな。お色直しは2回と3回どっちが良い?あっ、折角だから会場の全部着てみるか?」


「まちゅはふわふわのあまいのがたべちゃいかにゃぁ?」
「なら、わたあめかマシュマロは?」
「う〜ん?ケーキもすてがたいっちゅ」


「あっ、そうだ。挙式の前に、婚約指輪が先だな。俺とした事が大切な事を忘れていた。って、あれ?ちょっ、聞いてるか?」


「なら、コンビニ行くか。色々売ってるしな」
「いくっちゅぅ〜♪」


「って、おい。なんかスッゲェ遠くに居るんだが・・・・・紅菓とぬいぐるみ、何処に行ってるんだ?」



「「ん?」」

あっ。
なんか忘れてた。

余りに有り得ない台詞のせいで、脳内消去してたよ存在を。

まちゅもスルーしてたし、もうコレ無視で良いんじゃね?
あっ、でも握手しちゃったし、取り敢えず
「さようなら」
別れの挨拶位はしとくか。

「じゃ、まちゅコンビニ行くぞ」
「あいでちゅ」

まちゅを抱っこして再び歩きだすと

「まっ、待て。お前等、俺に何か用があったんじゃなかったのか?」

焦った声を出しながら後ろから追いかけてきた。

なんか、ちょっと、いや、かなり嫌。

ん?
あっ、そう言えば、なんかもう一つ大事な事忘れてる気がする。
なんだっけ?

「お前等は俺に、何がしたかったんだ?」

う〜んっと、なんだっけ?

う〜ん?

えっと、確か、さっき、パフェ王女を救う為、ガラムマサラを倒す戦士を集めて欲しいってまちゅに言われたんだよな。
で、作戦を練る為、散歩してたような。

って、ん?
あれ?
ガラムマサラ?

って、えっと、誰だっけ?

ジィっと見つめてくる残念な美形。

ん?
この人の名前って、なんだった?
なんか、香辛料みたいな名前だったような?
う〜ん?
まっ、いっかぁ。
帰ろっと。

「甘いの好きなら、アイスも買おうか?」
「まちゅ、バニラちゅき」
「気が合うなぁ。俺もだ」

気にせずコンビニに足を向けると
「待ってくれ。キュア苺プリンっ!!」
必死な声が耳に入った。

って、誰だっけ?ソレ?
俺そんな名前じゃないし、止まらなくて良いよな?

「って、お願いだから待って?」
スルーして歩き出した背後から、スッゴイ情けない声が耳に入った。

う〜ん?
あの人誰に言ってんだろ?
キュア苺プリンだっけ?

ソレ何処で売ってるプリン?
ていうか、名前叫んじゃう位好きなのかな?プリン。

凄いな。
俺ならたとえ好きでも、好物の名前叫ぶ勇気ないな。

でも、そんなに好きなら
「早く買いに行けば?そのプリン」
叫ぶより先に買いに行けば良いのに。
この人バカかな?
あっ、それとも今金欠なのか?

「いやいやいや、そうじゃなくて」
ん?
何がそうじゃなくてなんだろう?

「俺が呼んでるのはキュア苺プリンだ」
「食べ物は呼んでも返事しませんよ?」
バカですか?バカでしょう?

見た目スッゲェ美形なのに、残念過ぎるよこの人。

「あ〜もう、これじゃ全然話進まねぇ。俺が呼んでるのはお前だ、紅菓」
え?俺だったのか?
全然気付かなかったよ、マジで。

「で、何か用?」
今スッゲェ眠いから、手短に要件言って下さい。
出来れば3秒以内で。

「じゃなくて、用があるのはソッチだろ?」
えっと、なんだっけ?

チラリ、まちゅに目配せ。


首を傾げるまちゅ。

あっ、なんか可愛い。

「う〜ん?忘れたからもう良いや。て事で、もう寄ってくんな。ウザイから」
視線合わせんのも面倒っちぃ。

あ〜、早くコンビニ行って、買い物して帰ろっと。

「だから待てって」

折角歩き出したのに、再び掛かった声。

無視してそのまま進んでいたら

「頼むから待てよっつ!」
肩を掴まれた。

あ〜もう、ほんっと、ウザイ。

そう感じたのは、俺だけじゃなかったらしい。

「にゃんかうるしゃいから、コアラ、コイツたおすっちゅぅ〜」

まちゅに命令された。

まちゅ、お前、俺と気ぃ合うな。


「失せろ、変態」
拳を突き出したら
「ちょっと待て」
止められた。

ちょっ、なんだよ?
お前KYか?
今のは黙って殴られるとこだろ?
空気読めよ、残念男。

「どうせ戦うんなら、変身しないか?」

・・・はい?

「着替えが無いなら、俺が用意するから」

は???

「な?良いだろ?」

はぁあ????
何が[な?]なんだ?

「さっ、そうと決まったら、早速着替えるぞ?」

キラキラ目を輝かせながら、握られた手。

「ドレスとミニスカ、どっちが良い?あっ、それとも制服?」

なんだ、ソレ?

「因みに着替えは、俺の前で宜しくお願い致します」

どうやらコイツは

「あっ、それと、下着は勿論女物でお願いします」

「キモイわボケぇっっつつつ!!」

正真正銘の

「出来れば純白で」

「死にさらせ阿呆」

変態みたいです。


「露出は多めで」



やっぱ俺、帰って良くね?



露骨に汚物を見る様な視線を向けながら

「まちゅ、俺、やっぱ戦士辞めるわぁ」

ボソリ呟いた俺は、多分、間違ってないと思います。

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