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『Strawberry Panic』
1-3
「いっただきまぁ〜す♪」
上機嫌に口に運ぶスプーン。

美味し〜い。
やっぱ一口目は苺だよな。

今日のおやつは生クリームと苺がトッピングされたプリン。
甘さ控えめのクリームとほんのり甘酸っぱい苺の相性が抜群だ。

幸せ。

「アズ、俺のも食べる?」
スプーンに乗せられた甘そうな果実。

勿論食べるに決まっている。

「食べるぅ〜♪」
あ〜ん。口を開けて食べようとした瞬間
「「ぇっ?」」
パァ〜っと光った光。
眩しくて真っ白で、目が開けられない。

キュッ、目を閉じて開けると
「?」
ソコにはいつもの風景。

「今の何?」
「スッゴイ眩しかったよな?」
「ビックリしたぁ〜っ」

何が起きたのか分からなかったが、まぁ、何もなかったみたいだし
「何だったんだろ?」
不思議な顔をしながら苺を口に含んだ。

うん、やっぱ苺最強。

生クリームとプリンをスプーンで掬った時[〜♪〜♪〜♪〜]鳴った着信音。
ちょっ、タイミング悪っ。
って、城堂だし、ほんっと何?

「どうした?」
意識的に出す少し低めの声。

「アズ、今お暇ですか?もし宜しければ、一緒に本屋に行きませんか?」

は?何コレ?
何で俺誘われてんの?

「悪い、城堂。今日は先約があるから無理だ」
学校外で知り合いに逢うなんて無理。
スッゴイ疲れるから。

俺は基本学校で笑わない。
自分と他人に厳しく冷たい態度を取り、いつも上から目線で軽く周囲を見下す。
理由は唯一つ。
母にそうする様命じられたからだ。

母と昴曰く、俺の性格は物凄く可愛いらしい。特に苺が絡むと。
まぁ確かに自他共に認める苺愛好家だが、ただ苺が好きなだけで可愛いに繋がるのか?
もしかして男が苺好きって時点でアウト、なのか?
だから家以外での苺摂取を禁じられているのかな?
何故か俺は家族や昴以外の人間が居る場所で苺を食べさせて貰えない。

確か幼稚園の年中か年長のどちらかからだったと思う。
突然外での摂取禁止令を出され、泣きじゃくった。
何度も隠れて食べようと試みたが、始終隣に居る昴のせいで無理だった。
でもその代わり毎日家で沢山苺を食べさせて貰え始めたのでプラマイゼロなんだが。
学校で苺が出た時は辛かったな。
愛して止まない苺を隣の席の昴に食べられるのだから。

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あきゅろす。
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