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『Strawberry Panic』
梓SIDE1-1
「おい、城堂。コレやり直せ。今スグだ」
「峰崎、コレは何だ?下書きか?」

「ちょっ、アズ。コレ提出期限今日迄なんですが?」
「あずにゃん、コレ下書きじゃないよぉ〜」

「煩い!俺は早く帰りたいんだ。つべこべ言わずサッサと終わらせろ」

「ぇええ〜!?」
「はぁあ???」


最初の偉そうなのが俺、天龍寺梓(てんりゅうじ あずさ)。

そして、次が城堂恭司(きどう きょうじ)と峰崎空我(みねざき くうが)。
2人共生徒会役員だ。

此処は放課後の生徒会室。
俺は何故か、全校生徒&教師からの人気投票で生徒会長に任命された。

我が校の生徒会は、人気投票により決まる。
それも、普通の投票ではない。
抱きたい・抱かれたいランキングという、非常に馬鹿げた物だ。

通常では有り得ない話だが、我が校は幼稚園から小中高、大学迄、エスカレーター式になっている私立の男子校。
その為同性愛に走る人が非常に多い。

勿論途中から入る人も居れば、出て行って違う学校に行く人も居る。
が、基本そういう人は目立つので注意が必要だ。

因みに俺がこの学校に来たのは高校から。
入学前の噂には微塵も同性愛の話が出て来なかったから、実際入って知った時は本気で転校を考えそうになった。

噂では物凄い金持ち学校だが、卒業する前には殆どの人が良い所に就職の内定が貰えるらしいとしか聞いていなかったから。

因みに決め手になったのは[俺が特待生として推薦してやろうか?]っていう優しい中学の時の担任のお言葉。

そんな美味しい話振るなんて勿体ない。
この学校の恋愛事情なんて微塵も知らなかった俺は喜んでその話を受けたのだった。



「昴。コレ、お願い」
「了解」

「……………ねぇ」

「何だ?」

「いつも思うんですが、何故アズは御剣にだけ甘いんですか?」

……………は!?
甘い?

「分からないって顔していますが今の行動がそうですよ?」

行動?

「基本アズは自分にも他人にも厳しいでしょう?態度や言葉が。なのに御剣にだけは柔らかいんですよ、表情や声や行動全てにおいて」

そうか?

「今御剣に頼んだ時可愛らしく小首傾げながら上目遣いしたでしょ?」

んんん???
えっと、すみません。
理解不可能なんですが。

「そういう可愛い仕種は私だけにして下さい。分かりましたね?」

ぇえっと、城堂?
やっぱり意味が分かりません。

「城堂?」
理解が出来ず城堂を見上げると
「そう。ソレです。でも眼鏡が邪魔ですね」
謎の言葉と共にゆっくり綺麗な指が顔に近付いて来た。


「駄目」
パシリ、昴の手により払い退けられ
「アズ、俺手伝うから早く帰ろ?」
俺の身体はすっぽり昴の腕の中に入ってしまった。

彼の名前は御剣昴(みつるぎ すばる)。
俺の幼なじみで、抱かれたい部門第3位の会計。
小さい頃から家がお隣りな上、同学年な為兄弟みたいに育った。
俺がこの学校に行く事を決めた瞬間、志望校を変えて迄受験してくれた優しくて頼もしい親友だ。


「御剣狡い。あずにゃん俺早く書類終わらせるからさ、俺にも甘えさせて?」
「駄目、アズは俺のなの」

う〜ん、昴。[俺の]の後に親友が抜けてるぞ?

峰崎は何故か事ある事にすぐ俺に甘えようとする。
まっ、いつも昴に阻止されているが、ソレって会長として頼りにされてるって事なのかな?
もしそうだったら嬉しいな。

峰崎空我(みねざき くうが)。
抱きたい部門第1位な美少女顔の書記。
周囲が言う通り、本当に可愛らしい顔立ちをしている。
むさ苦しい男子校で過ごす俺にとって峰崎は癒し系に分類される。


「二人共アズは私のですって、何回言えば理解出来るんですか?」
えっとこの場合[私の]の後に続くのは何だろう?
城堂は攻略難しいな。

城堂恭司(きどう きょうじ)。
抱かれたい部門第2位な美形の副会長。
いつも敬語混じりの口調で微妙に不思議な台詞を口にするちょっぴり理解不能な人。
頭は良いから多分、俺がその言語を理解出来ていないだけなんだと思う。

生徒会は以上の、会長=俺、副会長=城堂、会計=昴、書記=峰崎の4人で成り立っている。

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