出逢い《真央視点》 「あ〜!あの子。ママ、あのちっちゃいのが良い♪」 ペットショップで叫ばれた大きな声。 声の主は小さな子供。 「どうぞ」 店員によって手渡されたオレ。 「可愛いですね」 綺麗な女性が微笑んだ。 「狡いよママぁ。ゆんも抱っこするぅ」 駄々を捏ねながら軽く睨む女の子。 どうやら名前はゆんちゃんらしい。 「はいはい。優しく抱っこするのよ?」 「はぁ〜い」 『イッテェーッッ!!!』 ムッギュウゥゥゥ・・・・・って殺す気かオイッ!! 「ダメよゆんちゃん。優しく抱っこしなきゃ」 どうやらまだ力の加減が出来ないらしい。 「大丈夫?猫ちゃん」 店員によって抱き上げられたオレ。 『大丈夫じゃないです、お姉さん』 グーッタリしたオレを見て 「あらあら大変」 お姉さんはオレをタオルに包んだ。 『あ〜タオル気持ち良い♪』 目を瞑ったらスヤスヤスヤスヤ夢の中。 目が覚めたら良い事あるかな? パチッ。 「あっ、猫ちゃん起きたぁ」 目を開けた途端女の子のドアップ。 『んなっ、なんだ!?此所は何処だぁ?』 アタフタアタフタ歩き回ってしまったオレ。 『ペットショップに帰るぅっっ』 「あっ、猫たんウロウロしてるぅ」 ムッギュウゥゥゥ・・・・・・・・・って、又かよ。 クラララァーン。 離された途端目が回ったオレ。 「キャァッ!!大丈夫?もう、ゆんちゃんメッでしょ?」 「え〜、ゆんちゃん悪くないもん」 「もっと優しくしなさい」 「ヤダァー、ゆんちゃん悪くないーっっ!!!」 言い争い勃起。 まだ目が回っているオレ。 取り敢えずどうにかして下さい。 「これから宜しくね、猫ちゃん」 どうやらオレは此所の家の子供になったらしい。 「わぁ〜い。今日から一緒に寝るぅ〜」 って、ぇっっ!? 生命の危機を感じるので、本気で止めて下さい。 「まだゆんちゃんは危ないからダメよ?」 「ヤダァーーーーー」 飼い主は小さな女の子。 オレこれから大丈夫かぁ? ジタバタ駄々を捏ねるゆんちゃんを見ながらフゥーッ、溜め息を吐いた。 [*前][次#] [戻る] |