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この世界に、こんなに優しい世界もあるんだと教会に来て俺は初めて知った。
優しく降り注ぐ淡い太陽の光。
キラキラと光る水面の波。
頬をそっと撫でていく肌に心地良い微風。
教会に響く無邪気に笑う子供たちの声。
教会で暮らしていると色んなことが分かる。
例えば、朝目覚めて浴びる日光の光の温かさだとか。
風に紛れ込んだ草花の芳しい香りだとか。
天を仰げば瞳に飛び込む空の澄み切った美しい綺麗な碧色だとか。
日々を平凡に暮らせることがどれだけ幸せで貴重なことか、今になって分かった。
それに、自分がどれだけたくさんの人に支えられているのかも。
今は非力な自分は何も出来ないけれど。
だけどせめて。
「なぁ」
「あ?」
「いつもありがとなフラウ」
せめて感謝を込めて「ありがとう」と言おう。
それから。
ずっとずっと傍にいて
(そんな俺の願いに、おう、と滅多に見せないフラウの優しい笑顔がすごく嬉しくて俺もつられて微笑み返した)
***
fin
ちなみにタイトルはテイトがちゃんとフラウに言いました!読み返したら、テイトが心の中だけで思っているようにもとれる事に気付きました(汗)
ここまで読んで下さって本当にありがとうございました。
20090402
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