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俺はフラウが煙草を吸う姿が好きだ。


煙草が身体に悪いのは知ってる。


知ってるけど、大人の魅力って言うのか何て言うのか、煙草を吸うフラウの姿は認めたくないけれどけっこう様になってて見とれてしまったりする。


本人には絶対に言わないけど。


だから、教会の中庭で休憩中なのか煙草を吸うフラウの姿が見えたからつい俺は足を止めてしまった。


そんな俺に目敏く気付いたフラウは、振り返ってサファイアの瞳を細めて意地悪に口の端を上げて笑った。


「よぉ、クソガキ。んなとこで突っ立って何してんだよ?」


嫌な笑いを浮かべて近付くフラウが言い放った言葉は俺を怒らすには十分で。


「クソガキクソガキ言うな!ってか煙草止めろよ!」


「はぁ?何でだよ」


めんどくさそうにあくびをするフラウに俺は思いやり顔をしかめてやる。


「ここは教会の中だろエロ司教」


「俺の身体を心配して、じゃねぇの?」


「誰が」


微かにドキッと鳴る胸を無視して、俺はフンと鼻を鳴らして出来るだけ冷たく言い放ってやる。


「可愛くねぇガキ」


そんな俺に肩をすくめて悪態をつくフラウ。


だけど、次の瞬間、ニヤリといつもの悪巧みをしているような笑みを浮かべるから、嫌な予感がして後ずさる俺にフラウはふっと身体を近付けた。


「俺の煙草吸う姿に見とれてたクセに」


耳に当たる吐息がくすぐったくて身をよじらせるけど、いつもよりずっと低いフラウの声と図星をつかれたセリフに俺はハッと我に返って、一気に身体の熱が上昇していくのに気付く。


「‥‥っ、変なこと言うんじゃねぇ!!」


瞬間、俺は恥ずかしくてフラウに顔を見られないようにしながらその場を走り去った。


そんな俺の後ろでフラウがからかうように「へぇ、なかなか可愛い反応するじゃねぇか」と笑っていたのを俺は知らない。



意外に当たったらしい
「カストルさん」「テイト君、どうかしましたか?」「フラウは人の心が読めるんですか?」「‥‥‥はい?」




***
fin
20090401


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