Another-2年後のミサキ-本編
3月24日4
あり得ない…
災厄とか現象とか…
訳が分からない…
3月24日4
「質問はありませんか?」
沈黙を破ったのは風見だった。
質問なら山ほどある。
「あの、一昨年は〈ある年〉だったんですか?〈ない年〉だったんですか?」
質問したのはさやかだった。
表情はおびえているようだった。体もふるえている。
「…〈ある年〉だった。」
赤沢が俯きながら言った。
途端に、教室の中がざわめきだす。
「誰かが増えてたら分かるんじゃないんですか?」
私も質問をしてみた。
「分からないの。名簿を見てもコンピュータ、何もかもすべてが辻褄の合うように変えられていて、記憶も変えられてしまうわ。だから、分からない…」
赤沢が悔しそうに言った。
私はそれを聞いて信じれなかった。
だって、あり得ない。
記憶のかいざんとか…
「今日は、そのために学級委員、対策係を決めるために僕達は来ました。」
話を切り替えたのは風見だ。
「立候補者は…」
「はい。」
澄んだ声。真っ直ぐ上がる手。
さやかだった。
「えっと…森山さん?あとはいないみたいだから決定ね。」
「後は…男子…」
「はい。」
低いけどよく通る声。
山中祐狡だ。
風見に少しにている。
「山中くん。二人に決定しますね。」
*
いきなり訳のわからない話をされ、解散させられた、私。
時刻は、4時半くらい。
早くかえって早く寝たい。
それが私の本心だった。
March -3月-
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