Another-2年後のミサキ-本編
3月24日2
園宮につれて来られた先は、3階の教室。
『呪われた3年3組』
だった――――
3月24日2
*
皆、動揺していた。当たり前の反応だ。夜見北の生徒でこの噂を知らない人はいないはずだ。
先生は、そんな私達を見て見ぬフリをして、席に座るようにと指示をだしてきた。
*
私の席は、窓際の一番後ろ。校庭が見えて眺めがいい。やっぱり当たりの席だった。
と、思いながら教卓の方へと目を向けた。
そこには、園宮と二人の男女がいた。たぶん、卒業生だろう。
一人は、さやかに似て赤っぽい茶色の髪の色をした短髪の女。もう一人は、黒い髪に眼鏡、いかにも委員長みたいな感じの男。二人とも表情は穏やかではなかった。
「みんなは、もう気付いていると思うが…」
教室中に緊張感がはしる。
「今年、お前達は…」
汗がにじみ出てきた。
園宮の声がスローモーションに聞こえる。
「3年3組の生徒になった」
教室のところどころで聞こえる小さな悲鳴。泣いてる人もいるし、一時停止してる人も複数いた。
「そして、私は担任になった園宮だ。」
もう、そんな言葉が耳に入らなかった。
「この二人は、一昨年の卒業生だ。」
後は頼む、みたいな感じで横の二人に話の流れを任せた。
「赤沢泉美です。一昨年の対策係、学級委員も勤めていました。」
「赤沢さんと一緒に対策係、学級委員を務めていた風見智彦です。」
卒業生の二人は、普通の自己紹介をした。
「今日は、この二人に3年3組の事情を話してもらうために来てもらった。後は頼むぞ、赤沢、風見。」
「はい。それでは、28年前の話からします。」
風見と言った方が、説明を始めた。
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