Another-2年後のミサキ-本編
5月27日
19日に相瀬が死んだが、クラスには何も起こらなかった。
でも、教室には緊張感がはしっている。
さやかと中山は、園宮に呼び出されて教室を後にした。
今日は、気分が悪かったから早引きした。
*
校門を出ようとして、誰かに呼び止められた。
「美咲!!」
「真月…」
振り返ると真月がいた。
真月は、家に来ないか、と誘ってきた。
私が答えを返す前に、真月は私の手を引き走り出した。
*
さやか視点
相瀬麗奈…彼女は美咲をいるものとして扱った。
だから5月の死者になってしまった。
有り得ない話じゃない…。
私はそう思いながら手元にあるプリントに相瀬の死に関するものを書く。
「森山さん、森山さん!」
「あ、ごめん、気抜けてたみたいね…」
「気をつけないとな。僕達は死ぬかもしれないんだから」
「そうね…」
そう言いながら、私はシャーペンを持った手を動かした。
「ねぇ、中山君」
「何?」
「災厄が始まっても対策って続けないといけないのかしら?」
「さぁ。ーーーでも、意味はないと思う」
中山君は、そう言って黙り込んだ。
美咲…助けれなくてごめんね…。
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