Another-2年後のミサキ-本編
4月31日6
真月に連れられて来たのは一軒の家だった。
名前札には「榊原」と記されていた。
「…ここは」
「榊原恒一。一昨年の三年三組の卒業生。」
榊原…聞いたことがある。
私の知り合い、見崎さんから聞いたような…。
「すみません。恒一くん居ますか?」
ガラガラとドアを開けて老婆に話しかける真月。
何故そこまで本気になってくれるのか分からない。
「…お待たせしました…って、永井!?」
榊原といわれた青年は、少々驚いた様子で真月を見た。
「帰ってきてたんですか!よかった…」
「まぁね。立ち話もなんだし上がっていきなよ。」
榊原は、親切に真月に言った。
私の存在に気づくと、ニコッと笑い「どうも」と言ってくれた。
この人は良い人だ。
それが私から榊原への第一印象。
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