Another-2年後のミサキ-本編
4月31日5
教室に入ると、皆の視線が私に突き刺さった。
「最島、お前に大事な話があるんだ…」
園宮がいきなり話しかけてきた。
私は嫌な予感がした。
「〈対策〉のことなんだが…」
あぁ、さやかが言いたかった事はこれなのか。
「〈いないもの〉に最島、お前が選ばれたんだ。」
そうか、さやかごめんね。
「〈いないもの〉になるのに文句は…」
「私に拒否する権利はあるんですか?」
私は園宮の話をすべて聞く前に淡々と答えた。
「…っ無いな。」
私は静かに自分の席へと行った。
見ると机がきたなかった。
これも〈いないもの〉の対策のためなのか?
「最島、お前には悪いけどクラスのためだと思ってくれ。」
園宮は私の方を見ずに呟いた。
「分かってます。」
*
HPが終わり私は真月と一緒に帰った。
真月が誘ってきたのだ。
「美咲、大丈夫か?」
「何が?」
「とぼけても無駄だよ。〈いないもの〉にされたんだって?」
真月は、何故かそれを知っていた。
中山から聞いたらしい。
「実感がないの。だってさ、いきなり意味分からないこと言われて、意味分からないことされて、実感なんでないに決まってるよね…」
「美咲…ちょっと来てくれないか?」
真月はいきなり私の腕を強引に引き走って行った。
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