Another-2年後のミサキ-本編
4月31日2
教室へついた。
とたん、さやかが私のところへと向かってきた。
「美咲、来てくれる?」
「あ、うん。」
挨拶も交わさず私はさやかに手を引かれながらついていった。
*
連れてこられた先は屋上だった。
屋上につけられた塀は、さびていて何か不気味な感じになっている。
さやかは、塀によりかかった。
「美咲…」
俯きながらさやかは言った。そのため、表情が読みとれない。
「…めん……っ…ご…ん…」
涙混じりの声。さやかは間違いなく泣いている。
私はさやかの横へ移動した。
「さやか、泣きながら話しても分からない。だからいったん落ち着こう。ね?」
私はさやかの肩を抱きながら言った。
さやかは、「うん」と言いながら鼻をすすった。
さやかの泣き顔など見たことがなかった。
「まず、初めに美咲に謝らないといけないことがあるわ…」
このとき、私は背筋に寒気を感じた。
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